【日本と台湾の絆】台湾南部地震について思うこと

【日本と台湾の絆】台湾南部地震について思うこと 
                            

         王 明理 台湾独立建国聯盟委員長
                             

2月6日に起きた台湾南部地震の結果、犠牲になられた方々に心からの追悼の念を申し上げると共に、我がことのように心配を寄せて下さった日本の皆様に深く感謝申し上げたい。
2月13日、台湾時間午後3時57分ごろ、最後の行方不明者の遺体が発見され、これで死者総数は116人となった。4時20分、頼清徳台南市長は記者会見を開いて、「すべての行方不明者の捜索を完了した」と宣言し、また併せて、台湾の各界や国際社会からの救援や支援に対し、感謝の意を述べた。

台南市政府はそれに合わせて、犠牲者の全氏名と毎日の救助に何人投入したかなどの詳しい資料を公表した。倒壊した建物には若い年齢層が居住していたため、犠牲者の4人に1人は12歳以下で、その他の人たちもほぼ中年以下であったことが、人々を深く悲しませる結果となった。 (参考:下記記載◆台南市政府「0206地震專區」)

今回の地震後の頼市長および台南市消防局の救助活動や対応は見事なものであった。不眠不休で対処しながら、行方不明者の家族たちへの説明もきちんとなされ、家族たちも悲嘆にくれながらも、政府機関の救援活動を信頼して待っている姿に胸をうたれた。

頻繁に更新される情報により、誰が病院に搬送されたか、どのような救援隊が投入されているかなどが詳しく開示されたことは、人心を落ち着かせる効果を生んだと思われる。
台南市は捜索と同時に、倒壊した建物の違法建築容疑にも対処して、証拠を確保するよう努力しながらの撤去作業であったと聞く。

危機に際してこそ、社会の成熟度や民意の高さが現れるもので、東日本大震災の折の日本人の節度ある態度に世界が驚嘆したことは記憶に新しいが、今回の台湾の人々の行動も称賛に値すると言えるだろう。

2月6日以来、日本でも高い関心が示され、多くの義捐金、支援の申し出が日本各地から寄せられた。それは、東日本大震災の際の台湾からの200億円を超える義援金や人的支援に対する感謝と恩返しの意味がこめられているとも言われているが、ギブ&テイクを越えた、お互いを想いやる気持ちが感じ取れる。「日本のことが大好きで、とても心配しています」という台湾人の想いに対して、「台湾のことは他人事ではありません、心配しています」という日本人の想いではないだろうか。

「困った時の友こそ真の友」ということわざもある。政府間に正式な外交関係が無いとしても、日本と台湾は、だれに遠慮することなく、これからも互いに助け合い、絆を強めていくことが自然であるし、必要であろう。

◆台南市政府「0206地震專區」
http://disaster.tainan.gov.tw/disaster/default.asp?disasterid=&projectdate=&projectname=


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