日本李登輝友の会事務局長 柚原正敬
台湾「0610豪雨」で亡くなられた方や被災された方々にお見舞い申し上げます
日本でも伝えられているように、6月10日から台湾全土が豪雨に見舞われている。各地で
土砂崩れや浸水の被害が広がっていて、これまでに6人が死亡し、5000人近くが避難してい
るという。この大雨は今週いっぱい南部や中部を中心に続く見通しだと伝えている。
3年前の2009(平成21)年8月、50年ぶりの大水害と言われる台風8号(モーラコット)に
よる「八八水害」が台湾の南部を襲い、わずか4日間で台湾の年間降水量に匹敵する2500ミ
リ以上の雨が降った。死者は700名ほどにも及び、高雄県の小林村が土石流により村ごと呑
み込まれ、400名以上の犠牲者を出したことを思い出す。
今回の豪雨もそのときを彷彿させる。台北市では12日の雨量が277.5ミリに達し、6月の
降水量としては、日本の統治が始まった翌年の1896(明治29)年に観測所が設置されて以
来、最大の雨量だという。新北市の板橋でも360ミリと過去最大の雨量となり、各地で観測
史上初となる記録的な豪雨となっているそうだ。
「八八水害」で対策が後手後手にまわったために内閣総辞職に追い込まれた馬英九総統
は12日午前、中央災害対策センター訪れ状況を確認、午後には南投県の被害状況などを視
察したという。この日の午後、台湾全土の学校や銀行などの公共機関も臨時休業に入り、
交流協会台北事務所も「『0610豪雨』に対する注意喚起」をホームページに掲載した
ほどだ。
これ以上、被害が広がらないよう祈るしかすべはないが、亡くなられた方々や被災され
た方々に心からお見舞い申し上げます。
動画も見られるNHKのニュースと交流協会台北事務所の「『0610豪雨』に対する
注意喚起」を下記に紹介したい。
◆NHK:台湾で大雨 被害広がり5人死亡[2012/6/12]
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120612/k10015788561000.html
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「0610豪雨」に対する注意喚起
【交流協会台北事務所:2012年 6月 12日】
交通部中央気象局は10日、台湾南部(屏東、高雄、台南等)に「豪雨特報」を発布し、
注意を呼びかけておりましたが、12日午前9時55分には台湾のほぼ全島にわたり局部的豪雨
或いは特大豪雨が発生する割合が高いとする「豪雨特報」を改めて発出しました。
同報道は、超大豪雨地区として、基隆市、新北市、台北市、桃園県、新竹市、新竹県、
苗栗県、台中市、彰化県、南投県、雲林県、嘉義市、嘉義県、台南市、高雄市、屏東県
を、また、大豪雨地区として、宜蘭県、花蓮県及び台東県を挙げています。
この「0610豪雨」(内政部)に対し、各市政府から学校・事業所の臨時休校・休業
が公表されておりますので、報道にご注意下さい。(台北及び高雄事務所も12日午後は急
遽臨時休所します。)
中央気象局ではこの「0610豪雨」が数日間は続くと予報しておりますので、瞬間の
大雨、雷、突風並びに鉄砲水、落石、土石流等に注意すると共に、危険な水辺や崖には近
寄らないようご注意下さい。また、水没している道路を歩く際も、側溝の蓋などがはずれ
ていることもありますので、ご注意下さい。
いずれにせよ、豪雨が数日続くことにより予測できない災害が発生する危険も排除でき
ませんので、台湾の関係当局の注意喚起や報道等に引き続きご注意下さい。