【アピール】日本版台湾関係法の制定を急げ(2)

【アピール】日本版台湾関係法の制定を急げ(2)
【アピール】日本版台湾関係法の制定を急げ(2)

「明日への選択」5月号より転載

      台湾独立建国聯盟 日本本部中央委員 林 建良

●日本には台湾に対する外交政策が存在しない

 日本には台湾に対する外交政策が存在していないのだ。確かに日本は台湾を中国の一部と言い張る中国の主張を承認してはいないが、この主張を「理解して尊重」するとした日中共同声明に雁字搦めになっている。日本は対台湾事務を外務省の中国課に所属させ、中国の主張に追従している。

 72年以降、日台交流の窓口として日本は「交流協会」、台湾は「亜東関係協会」と、それぞれ「民間機関」を作った。この両機関は法的裏付けが全くないままに取り決めを交わし、人員、船舶、飛行機の出入国、在留、経済、投資等々国家主権に関する事項を14か条で規定したのだ。

かくして日台間の外交事務はこの二つの「民間機関」を通じて行わなければならなくなり、政府間の接触は日本外務省の内規によって禁止された。

 国と国との間の煩雑な事項を一民間機関を通して交渉しなければいけないような外交は実質上の外交放棄でしかない。更に、台湾駐在の実質的責任者である交流協会総務部長は、例外なく外務省中国課からの出向であり、交流協会の任期満了後も対中国外交に携わるのだ。出世を狙う彼らは台湾との友好促進よりも、中国の機嫌を損なわないよう台湾との関係強化にブレーキをかけることが重要である。極端に言えば、いくら日本と台湾との関係を悪化させても中国の逆鱗に触れることなく無事に任期を終わらせることが出来れば彼らの出世コースに傷がつくことはない。

●台湾を見下ろす日本の外交官

 そのようないびつな構造だから、日本の外交官は中国に卑屈な態度で接する一方、台湾にはぞんざいな態度で見下している。意識だけでなく構造的にも不平等である。例えば、「交流協会」は実質的外交機関だというのに、国からの予算編成もなく国会からの監督もない。対する台湾側の「駐日台北経済文化代表処」は国の予算で運営され、国会の監督も受けている。しかし、台湾の駐日外交官が日本の政府機関へ接触することは、日本側の内規により、禁じられているも同然である。一方、日本の駐台湾外交官は台湾の国家元首をはじめ、いかなる政府要員とも接触出来る。

 対日外交を担当している友人は日本側と接触する度に屈辱的な思いをさせられると筆者にこぼしている。第一線の外交官の感じることはやがて国民にも伝わるであろう。国力によって外交上の不平等があるのは仕方がないにしても、日本の対台湾外交が台湾の親日感情を蝕む外交であることは指摘しておきたい。

●法的根拠のない日台外交

外交は当然政府間のみでなく民間ベースの人的交流や経済交流も重要であろう。しかし、民間ベースですべて完遂出来るのならば外務省はいらないのだ。主権、協定、条約等々、国の保証を必要とする事項は多くある。善意は外交にとってプラスに働くが、善意にのみに頼る外交は必ず国を滅ぼすということが歴史の教訓である。

法的根拠のない日台外交の障害とは何か、一つの例を挙げてみよう。
「交流協会」も「駐日台北経済文化代表処」も民間機関に過ぎないが、両機関ともにビザの発行などの主権に関する認証を行っており、実質的に大使館の機能を持っている。このような歪んだ事態は本当に将来も持続可能なのだろうか。

実際、1983年に中国が台湾と日本のビザ発行について抗議した。当時の中国の国力は今ほどではなく、どちらかと言えば日本の方が国際的に存在感のあった時代であった為にこのことは結局うやむやになり事なきを得た。

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