自民党外交部会長で元外務副大臣の佐藤正久・参議院議員が座長に就いて、台湾との関係強化をめざす「台湾政策検討プロジェクトチーム」を設立したのは今年2月。
佐藤座長は「『中国から台湾への圧力は激しさを増しており、日本の安全保障にも影響を及ぼしかねない状況だ』と指摘。『党が一つの方向性で重点政策をつくり、一段高みの議員外交をやっていく時期にきた』と主張」(産経新聞)するとともに、自民党の外交・国防の両部会長と台湾側とで議員レベルの「2+2(外務・防衛担当者協議)」を開催することにも意欲を示していると報じられた。
いよいよこの8月にもオンライン形式で会談する方向で調整していると報じられた。時事通信は「日本政府がオーストラリアやインドと開く『外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)」の与党版との位置付けで、初めての取り組み』と伝えている。
外交と防衛はワンセット。国防部会長は、安倍内閣で財務副大臣や内閣府副大臣をつとめた大塚拓・衆議院議員(4期)。
超党派でつくる「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)は去る7月29日、米国、台湾の議会関係者とオンラインで「戦略対話」を行い、出席した安倍晋三・前総理は「日本、米国、台湾が連携を深めることが、この地域を平和で安定、繁栄する地域にできる」と述べ、この戦略対話が台湾海峡の平和と安定のために連携する意義を強調した。
今年3月に日本で行われた「日米安全保障協議委員会(2+2)」が「台湾海峡の平和と安定」を強調し、それがドミノ倒しのように、4月の日米首脳会談をはじめ、先進7ヵ国(G7)外相会議、日EU定期首脳協議、6月のG7コーンウォール・サミットまで「台湾海峡の平和と安定」が強調され、日本が参加していないNATO首脳会議や米EU首脳会談でも「台湾海峡の平和と安定」が強調された。日米台の議員による初めての「戦略対話」でも、その認識が共有された。
このようなさ中に開かれる初の「日台与党版2+2」も台湾海峡をめぐる安全保障がテーマになりそうだが、どのような意見を交換するのかおおいに注目したい。また、台湾与党の民進党から誰が登場するのかにも注目したい。
—————————————————————————————–自民・佐藤正久外交部会長ら 台湾の与党議員と月内にも会談へ【FNNプライムオンライン:2021年8月18日】
自民党の外交・国防両部会長が、台湾の国会議員にあたる立法委員と、月内にも会談する方向で調整していることが分かった。
日本側から参加するのは、自民党・外交部会長の佐藤正久議員と国防部会長の大塚拓議員。
台湾側からは、与党・民進党の議員が参加する予定で、オンライン形式での会談となる見込み。
近年、中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させる一方、沖縄・尖閣諸島周辺で中国海警局の船が日本の領海侵入を繰り返しており、こうした問題について意見交換するものとみられる。
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