自民党の外交部会に台湾を巡る外交や安全保障の政策を議論するプロジェクトチームが新設されることが2月5日に発表され、10日に発足して初会合が開かれた。
プロジェクトチームの名称は「台湾政策検討プロジェクトチーム)」と決まり、座長には外交部会長をつとめる「ヒゲの隊長」こと佐藤正久(さとう・まさひさ)参議院議員(前外務副大臣)、副座長には青年局長や外務副大臣をつとめた鈴木馨祐(すずき・けいすけ)衆議院議員が就き、事務局長は法務大臣をつとめた山下貴司(やました・たかし)衆議院議員が務める。
佐藤座長は「台湾政策検討プロジェクトチーム」を設立することになった要因として米国のバイデン政権を挙げ「米バイデン政権が『対中政策5本柱』として人権外交・台湾政策を掲げ『同盟国と連携しながら進めたい』と呼びかけていることを踏まえての立ち上げであると明らかにした」(FNNプライムオンライン)と伝えられている。
佐藤座長は会合で「『中国から台湾への圧力は激しさを増しており、日本の安全保障にも影響を及ぼしかねない状況だ』と指摘。『党が一つの方向性で重点政策をつくり、一段高みの議員外交をやっていく時期にきた』と主張」(産経新聞)し、4月末までに提言をまとめるという。
また、自民党の外交・国防の両部会長と台湾側とで議員レベルの2+2(外務・防衛担当者協議)を開催することにも意欲を示していると報じられている。
事務局長の山下貴司議員は会合後、記者団に「『米国を含め、平和で安定的なインド太平洋地域のためにも台湾問題は避けて通れないというのが各国共通の思いだ。PTで戦略的に幅広い分野から議論する』と説明した」(産経新聞)という。
日華議員懇談会のように議員有志による台湾との交流や関係強化をはかる議員連盟ではなく、政府与党として「議員外交を活発化させ、台湾との関係強化に取り組む方針」(NHK)を決め、提言を通じて菅政権にも影響力を行使しようという「台湾政策検討プロジェクトチーム」の今後の活動を注視してゆきたい。
—————————————————————————————–自民台湾PT、4月末までに提言 初会合【日本経済新聞:2021年1月10日】https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE109UP0Q1A210C2000000/
自民党外交部会は10日、党本部で台湾を巡る議員外交のあり方を議論するプロジェクトチーム(PT)の初会合を開いた。安全保障や経済安保分野、文化交流のあり方などを議論し、4月末までに提言をまとめる。
日本は台湾と国交がなく、自民党青年局や超党派議員連盟「日華議員懇談会」が台湾との議員交流の窓口を担ってきた。PTの幹部には青年局長経験者や日華議員懇の幹部が名を連ねた。顧問には日華議員懇談会の古屋圭司会長が就き、青年局長を務めた鈴木馨祐前外務副大臣を副座長に充てた。
名称は「台湾政策検討プロジェクトチーム(PT)」とした。座長を兼ねる佐藤正久外交部会長は米国のバイデン政権発足に触れ「議員外交がこれまで以上に果たすべき役割がある」と強調した。安保や新型コロナウイルス対応など協力すべき課題が重要度を増していると指摘した。
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