屏東県来義郷の地下ダム二峰[土川]を造った鳥居信平(とりい・のぶへい)を見出したのは、ノンフィクション作家の平野久美子さんだ。鳥居の地下ダム造成の事績を丹念に掘り起こして『水の奇跡を呼んだ男─日本初の環境型ダムを台湾につくった鳥居信平』(産経新聞出版、2009年)を出版している。
それによって、奇美実業創業者の許文龍氏が鳥居の胸像を制作し、出身地の静岡県袋井市に寄贈している。台湾の人々は今でも地下ダムの恩恵を受け、鳥居信平を尊敬し、感謝の念を絶やしていない。
地下ダム二峰[土川]は、李登輝元総統が生まれた1923年(大正12年)に完成している。来る6月10日と11日、地下ダム二峰[土川]完成100周年を記念したイベントが屏東県内で開かれ、日本から鳥居信平の孫の鳥居徹・東京大学名誉教授と平野久美子さんが参加するという。
—————————————————————————————–地下ダム「二峰[土川]」、100周年のイベント開催へ【台湾週報:2022年6月1日】https://www.taiwanembassy.org/jp_ja/post/85593.html
屏東県来義郷(台湾南部)に二峰[土川]という名の地下ダムがある。日本統治時代の1922年に着工し、1923年5月に竣工した。日本人技師の鳥居信平が計画した。二峰[土川]は屏東平原を潤し、ダム完成から1世紀が経つ現在も、用水路にたっぷりの水を送っている。
屏東県は6月、「二峰[土川]」の誕生100年を祝うシリーズイベントを開催する。6月10日午前には、来義郷の喜楽発発吾森林公園で「100年記念式典及び特別展開会式」を開催する。6月10日夜には屏?1936文化基地で100周年を祝う記念レセプションを開催する。
6月11日には国際シンポジウムを開催。鳥居信平の孫で、東京大学名誉教授である鳥居徹さん、『水の奇跡を呼んだ男─日本初の環境型ダムを台湾につくった鳥居信平』を書いた作家の平野久美子さん、それにオランダ人の治水専門家であるArjen de Vries博士、米国の専門家Sam Stoweさん、それに台湾の土木や治水の専門家や学者らが参加するという。
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