8月15日に投開票が行われた高雄市長補選で、民進党候補の陳其邁氏が高雄市長選挙史上初の70%を超える得票率70.03%で圧勝した。得票数は67万1804票。任期は、リコールされた韓國瑜・前市長の残任期間の2年4ヶ月、2022年まで。
中国国民党の韓市長が高雄市民の投票によってリコールされ、陳其邁氏が名乗りを挙げた時点で圧勝は予想されたが、2014年に陳菊氏が獲得した68.09%の得票率を上回った。
中国国民党の李眉蓁候補の得票数は24万8478票で得票率は25.90%。ダブルスコア以上に開き、歯牙にもかからない大惨敗となった。総統選での惨敗と韓國瑜ダメージからの立ち直りをはかっていた中国国民党だが、香港情勢がこれに加わる。これでは立ち直るどころか、党消滅の赤信号が点き始めたと言っていいだろう。
—————————————————————————————–高雄市長補選、陳其邁氏が勝利宣言「世界一流の港湾都市目指す」【中央通信社:2020年8月15日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202008150005.aspx
(台北中央社)高雄市長補選は15日投開票され、与党・民進党の陳其邁(ちんきまい)氏が当選を果たした。得票数は67万1804票、得票率は70.03%だった。陳氏は同日午後6時すぎ、市内の選挙対策本部で勝利宣言を行い、「世界一流の港湾都市を目指す」と意欲を示した。
今年6月に行われた住民投票で最大野党・国民党の韓国瑜(かんこくゆ)氏のリコールが成立し、解職されたのに伴う補選。陳氏は2018年の市長選で韓氏に敗れており、今回の再挑戦は「リベンジ」と捉えられていた。
陳氏は韓氏の前例を踏まえ、「もし自分に不足なところがあれば、同じ基準で厳しく批判してほしい」と市民に要求。市長就任後の優先事項として、産業の転換や雇用機会の増加、交通インフラ整備、大気汚染の解決などを挙げ、高雄市を「大きく前進させる」と誓った。
補選に出馬したのは陳氏のほか、国民党の李眉蓁(りびしん)高雄市議、昨年結成された新党、台湾民衆党推薦の呉益政(ごえきせい)同市議。2人の得票数はそれぞれ、李氏が24万8478票(得票率25.90%)、呉氏が3万8960票(同4.06%)だった。
陳氏は1964年生まれで、北部・基隆市の出身。台湾大公共衛生研究所(大学院)にて予防医学修士号を取得し、医師となったが、後に政界に進出。立法委員(国会議員)や行政院(内閣)報道官、高雄市代理市長、総統府副秘書長(内閣官房副長官)、民進党副秘書長、行政院副院長(副首相)などを歴任した。
(編集:塚越西穂、荘麗玲)
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