高雄市と八王子市の姉妹都市提携 [宮本 将英]

11月9日発行の本誌で「祝 高雄市と八王子市が正式に姉妹都市提携を締結」と題し、11
月1日に台湾第二の都市、高雄市と東京・八王子市が正式に友好交流に関する協議書に調印
して正式に姉妹都市提携を締結したことを報じた。

 同日、この記事をメールマガジン「台湾の声」に転載紹介いただいたが、昨日のメール
マガジン「台湾の声」に、これについての読者投稿が掲載されたので、ここに転載してご
紹介したい。

 国際的な姉妹都市交流は自治体の国際交流への関心の度合いによって左右される。自治
体の首長や議員の関心度合いによって決まる。政治に左右される。つまり、政治家の台湾
に対する認識がその決め手であり、姉妹都市交流の多寡がその認識をはかるリトマス試験
紙なのだ。日本の台湾認識の程度がこの姉妹都市交流に現れてくる。

 なお、日本と台湾の姉妹都市提携については、本会ホームページ「活動」欄の「姉妹都
市交流」に、各自治体がどのようにして姉妹都市を提携するに至ったかなどの詳細を掲載
していますのでご参照ください。                    (編集部)

■日本李登輝友の会 ホームページ:http://www.ritouki.jp/


【11月14日 メールマガジン「台湾の声」】

【読者投稿】
高雄市と八王子市の姉妹都市提携−日台関係が過去最良の状態であることの証左

                                   宮本 将英

 2004年12月に李登輝氏が訪日した際、日台関係は今が最良の状態であると述べられた。
それを象徴するかのような“事件”が起きた。11月1日、高雄市と八王子市が友好都市協定
を締結したのである。

 ここ最近、李登輝氏の訪日が延期されたり、台湾新幹線の開通が延期されたりと、親台
湾派にとっては肩透かしを喰らうことが相次いでいただけに、願ってもない朗報である。

 八王子市(54万人)と高雄市(151万人)の人口を合計すると205万人となり、日台両国
間では最大規模の姉妹都市関係となる。関東地方の都市が台湾と姉妹都市協定を結ぶのは
初めてであり、八王子市にとっては初の姉妹都市、高雄市にとっては23番目の姉妹都市で
ある。

 日台両国間の政治関係は、言うまでも無く、中華人民共和国の下劣な妨害に直面してい
る。岡山市が新竹市と姉妹都市協定を結んだときにも、岡山と以前から姉妹都市関係にあ
った洛陽市が妨害してきたし、鳥取県や長野県の台湾との交流にも中国は露骨な妨害をし
ている。にも拘らず、日台両国間が政治、経済、観光などの様々な側面で交流が活発化し
ているのは、やはり日台両国がアジアの民主主義国家という価値観を共有しているからに
ほかならない。

 とはいっても、まだまだ課題は多いと言える。

 今回は姉妹都市協定に限定して話を進めるが、日台両国間の姉妹都市協定は全部で11組
である。この数字は多いと言えるか少ないといえるか。

 日本と諸外国の姉妹都市協定締結数を見ると、インドと3組、インドネシアと8組、タイ
と4組、マレーシアと1組、北朝鮮と1組、ベトナムと0組である。これらアジア諸国と比べれ
ば、台湾との姉妹都市締結数はそれほど少なくないとも言える。

 しかし、アメリカと435組、中国と321組、韓国と114組、オーストラリアと107組、カナ
ダと70組、ニュージーランドと42組、オーストリアと32組という現状と比べれば、日台両
国間で11組とは何ともさびしく感じられる。

 台湾は(人口2300万人)小国で人口が少ないから、というのは理由にならない。オース
トラリアの人口は1991万人、オーストリアは817万人、ニュージーランドは400万人である
。小国であっても、両国が本気になって交流を進めれば多数の姉妹都市協定が結べるので
ある。

 私にとってどうしても腑に落ちないのは、人口が台湾の2倍の韓国が、日本との姉妹都市
締結数では台湾の10倍に達していることである。

 さらにもう一つ強調しておきたいのは、日台両国間の姉妹都市関係は、そのほとんどが
、人口が少ない町村であることだ。

 もちろんこうした小さい自治体同士の交流も重要だし、私はむしろ青森県青間町や沖縄
県与那国町などを積極的に評価したい。だが、我が国の数十万、百万以上の都市にももっ
とがんばってもらいたい。大都市が台湾と交流すると目立ってしまい、中国からの干渉を
まねくのでやりにくいという理由が成り立つとは思えない。

 台北市はロサンゼルス、サンフランシスコ、ヒューストン、ボストン、ソウル、マニラ
、ホーチミン、ウランバートルなどの世界の大都市と姉妹都市協定を結び、全部で45組に
及ぶ。高雄市もホノルル、マイアミ、シアトル、釜山、ブリスベンなどの大都市と姉妹都
市である。

 姉妹都市とは話が異なるが、近年は日台交流が地方の隅々にまで広がりつつある。日本
李登輝友の会は14の地方支部を抱えているし、そのほかにも大阪日台交流協会、栃木県日
台親善協会、青森日台交流会、北海道台湾協会、高座日台交流の会などなど数多くの地方
組織が存在する。

 これからも各地方での結びつきを強め、日台関係をより広く、深く、強固なものにして
いきたいものだ。

『台湾の声』  http://www.emaga.com/info/3407.html


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