昨日の本誌で紹介したように、5月8日の八田與一技師の墓前祭には金沢市から村山卓(むらやま・たかし)市長を団長とする訪台団が参列し、また日台共栄首長(くびちょう)連盟会長をつとめる宮元陸(みやもと・りく)加賀市長も駆けつけている。
この墓前祭における宮元市長の挨拶が参列した頼清徳・副総統に大きなが感動を与えたとして、台湾で大きく取り上げられている。
宮元市長は挨拶で「台湾を自国の領土であり『核心的利益』と一方的に主張し、力による現状変更もいとわない中国の姿勢は、台湾海峡、延いては自由で開かれたインド太平洋の平和と安定にとって、もはや看過できないものになっている」と指摘するとともに、日台交流基本法の制定など、日本と台湾の安全保障などを中心とした関係を強化するために「日台共栄首長連盟」を設立したと述べ、今後は「政府をはじめ、日本国民に対して、強力に働きかけを強め、国民運動として盛り上げていきたいと思っています。この際、台湾の地方自治体にも呼び掛けていきたいと思っています。ここに改めて申し上げたい。『台湾なくして、日本なし』『日本なくして、台湾なし』であります」と述べると、会場から大きな拍手が沸き起こったという。
下記に「自由時報」と民視新聞網の報道を紹介するとともに、自由時報の日本語訳をご紹介したい。
◆自由時報:共同守護區域和平 頼:日本有事 也是台灣有事【5月9日】 https://news.ltn.com.tw/news/politics/paper/1581814
◆民視新聞網:八田與一逝世81週年紀念會 頼清徳出席談跨世代、跨國界合作
—————————————————————————————–共同の守護地域平和 頼:日本の有事は台湾の有事【自由時報:2023年5月9日】
〔記者楊金城、陳●/総合報道〕 「嘉南大[土川]の父」である八田與一技師の逝去から81年、追悼式が昨日台南市の烏山頭ダムで開催され、副大統領の頼清徳が出席し、追悼式が台日関係を深めるためのプラットフォームになることを期待します。権威主義の拡大に直面して、台日は、前首相の安倍晋三氏が言われましたように、「台湾の有事は日本の有事」というだけでなく、「日本の有事は台湾の有事」であり、「日本があってこその台湾」ということで、台日両国は地域の平和と安定を守るために一緒に立ち上がるべきです。(●=均の土を日に)
追悼式典には、農業委員会副主席の陳添壽、台南市長の黄偉哲、八田与一の長孫である八田修一、在高雄の日本台湾交流協会長の奥正史、加賀市長の宮元陸、金沢市長の村山卓などが出席し、八田與一が台湾農業に与えた貢献に感謝し、台日の友好関係を高めることを願った。
宮元陸は演説で、「台湾と日本は同胞であって、運命共同体であります。台湾が攻撃された場合、次は日本が攻撃されます。台日はより強固な関係を築いて、将来的には日本の地方首長約130人余りで構成される『日台共栄首長連盟』を基盤として、日台交流基本法を推進し、台日友好意識を国民運動にすることを目指します。台湾の地方自治体も両国関係を強化する運動を呼び掛けて参加してほしいです。「台湾無くして、日本無し」「日本無くして台湾無し」と訴えて、現場から熱烈な拍手を受けました。
頼清徳は、「台日関係に友好的な言葉を聞いて感動しました。地域の平和は力であり、力は団結して初めて強大になります。八田追悼会が台日友好を持続的に向上させ、台湾と日本が烏山頭ダムのように世代や国境を超えて協力し、東アジア地域が平和的に安定するよう願っています。台日は親密な家族のような関係で離れません」と述べました。
黄偉哲は、祖父である黄濱田がかつて嘉南大[土川]管理所で働いていた時の古い写真を八田修一に贈呈して、写真には日本語で「八田技師の偉業を維持・運営するために来た人々」と書かれていました。黄偉哲は、八田技師に対して尊敬と敬意を抱きます」と述べました。
写真のキャプション:副大統領の頼清徳(上図左、記者楊金城撮影)は、昨日の追悼式に出席し像に花を捧げました。
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