韓國瑜・高雄市長が任期2年半を残して解任 補選は8月15日

 6月12日、台湾の中央選挙委員会は6月6日に実施された韓國瑜・高雄市長リコール投票についての審議結果を公告、この6月12日をもって韓市長は正式に解任されました。

 韓市長には、住民投票の結果に不服の場合は無効を求める提訴の道もありましたが、リコール成立の直後、投票者の97.4%占めるリコール賛成93万9,090票を前にしては、抗う術がないと観念してか、「民意を尊重し、いかなる訴えも提起しない」と表明、中央選挙委員会の公告も出されたことから、台湾初のリコール市長という烙印を捺され、なんとも不名誉な結果となりました。

 行政院は同日、選挙が行われるまでの代理として、陳菊市長時代に副市長を務めた楊明州氏を充てる人事を発表したと伝えられています。補欠選挙は8月15日に行われます。

 補選には、韓氏に高雄市長選挙で敗れ、行政院副院長に就いた陳其邁氏が副院長を辞めて立候補するのではないかと言われています。李登輝総統時代の野百合学生運動の闘士であり、武漢肺炎対策で名を挙げ、2005年に高雄市の代理市長もつとめたこともある陳其邁氏が立候補すれば、おそらく圧勝するのではないでしょうか。

 また、韓國瑜氏は今後、党内で隠然たる力を持つという黄復興党部のバックアップで中国国民党の主席を狙うと言われています。

 しかし、中国との和平協定締結を公然と唱える中国国民党自体の求心力は弱体化していて、脱中国を求める声は中国国民党内にも浸透しはじめています。現在の主席に当選した江啓臣氏も、中国が主張する「一つの中国」原則、「九二共識」や「92年合意」と言われる「92年コンセンサス」を時代遅れだと批判して選ばれています。

 中国共産党は中国国民党の主席当選者に祝電を送るのを慣例としていましたが、習近平・総書記は江啓臣氏には送りませんでした。中国共産党と中国国民党の間には溝ができはじめています。

 台湾の流れはあきらかに「脱中国」「脱蒋介石」「脱72年体制」に変わってきています。そのシンボルが韓國瑜氏のリコール成立です。改めてリコール運動を推進した台湾基進ら若者たちのパワーに敬意を表します。

—————————————————————————————–中選会:韓国瑜リコール成立、8/15高雄市長補欠選擧【台湾国際放送:2020年6月12日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/92563

 6月6日、台湾南部の大都市、高雄市では、韓国瑜・高雄市長の解職請求(リコール)の賛否を問う住民投票が行われ、即日開票されました。投票の結果、賛成票が反対票を上回り、賛成多数でリコールが成立しました。

 中央選挙委員会(略称:中選会)は12日午後、委員会議を開き、投票結果を審議、確定しました。会議終了後、中央選挙委員会の陳朝建・副主任委員は審議の結果を公告しました。台湾の「公職人員選挙罷免法」の規定によれば、韓国瑜・高雄市長は、中央選挙委員会が公告を出した日から、解任され、行政院は代理市長を派遣して市長の職務を代行するということです。

 韓国瑜・市長は、任期満了まで後2年半の任期があるため、法律に則って高雄市では、遅くとも公告が出される日から数えて3ヶ月以内、つまり9月11日以前に市長の補欠選挙を行わなければなりません。

 中央選挙委員会によりますと、中央選挙委員会は6月10日、考選部、教育部、内政部民政司、戸政司、警政署、高雄市選挙委員会などの機関の責任者を集め、会議を開き、12日、中央選挙委員会の委員会議で討論した結果、8月15日に高雄市長の補欠選挙を行うことを決定しました。

 中央選挙委員会の陳朝建・副主任委員は、「韓国瑜・高雄市長のリコール成立と高雄市長の補欠選挙の二項目とも12日の中央選挙委員会の委員会議で審議され、確定した。高雄市長の補欠選挙は8月15日に行われ、投票時間は午前8時から午後4時までだ」と明らかにしました。

 中央選挙委員会の委員会議で可決された高雄市長の補欠選挙の日程は次の通りです。

 6月20日から24日まで、立候補届を受理します。

 7月10日以前に立候補者の資格審査を終え、立候補者名簿を決めます。

 7月15日に立候補者の番号抽選を行います。

 7月30日に立候補者の名簿を公表します。

 7月31日から8月14日まで公式な政見発表会を行います。

 8月11日以前に有権者数を公表します。

 8月15日に投票を行い、即日開票します。

 8月21日に以前に選挙結果の審議を終え、当選者名簿を発表します。

 今回の市長補欠選挙に立候補する候補者の選挙経費は、前回の高雄市長の選挙時と同じで、台湾元8884万1000元(約日本円3億2181万円)です。

 なお、2018年11月に行われた高雄市長選挙で韓国瑜氏に敗れ、後に行政院(内閣)の副院長(副首相)に就任した陳其邁氏、17日にも副首相を辞めて高雄市長の補欠選擧への立候補を発表する可能性が伝えられています。

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