5月4日には上院でも、マルコ・ルビオ上院議員(共和党)、シェロッド・ブラウン(民主党)、ジム・インホフ(共和党)、ロバート・メネンデス(民衆党)、コーリー・ガードナー(共和党)、ゲイリー・ピーターズ(民主党)の6議員により同様の法案が提出されている。
この法案は3条からなり、法案第1条に「米国の全てのレベルの政府関係者による台湾訪問、および対等な行政レベルにある台湾の政府関係者への訪問を許可する」と定めていて、蔡英文総統を国家元首としてホワイトハウスに迎え入れることも可能になるという。成立すれば、米国と台湾の関係はほぼ国交を結んでいるのと同じ状況となるとみられる。今後、上・下両院で可決され、トランプ大統領が署名すれば法案が成立する。
このほど、この「台湾旅行法」案提出の中心人物のスティーブ・シャボット下院議員が上・下両院に可決を呼び掛ける一文を10月25 日付の米政治専門紙「ザ・ヒル」に寄稿し掲載されたと、中央通信社が報じている。下記にご紹介したい。
—————————————————————————————–米議員、大統領や総統の相互訪問を可能にする「台湾旅行法」の支持呼び掛け【中央通信社:2017月10月26日】http://japan.cna.com.tw/news/apol/201710260005.aspx
(ワシントン 26日 中央社)米国と台湾の全ての政府官僚の相互訪問許可を盛り込んだ「台湾旅行法」の草案は、現在、米国連邦議会での審議が待たれている。草案を提出した共和党のスティーブ・シャボット下院議員によると、同法は規制緩和による米台の外交関係強化を狙うもので、施行されれば蔡英文総統を国家元首としてホワイトハウスに迎え入れることが可能になる。同氏が上下両院に可決を呼び掛ける寄稿文が25 日付の米政治専門紙、ザ・ヒルに掲載された。
米国は1979年、中華民国と国交を断絶し、台湾関係法を施行して以来、双方の高官の相互訪問を規制してきた。同氏は寄稿文で、この政策は中国大陸の機嫌を損ねないようにする国務省の要求に根差したものだとし、「時代遅れでばかげている」と厳しく批判。米国自身の安全と利益に反するばかりか、中国大陸に外交事務で譲歩、弱点をさらすことになり、台湾を孤立させようとする北京当局の思惑を増長させるものだとする見解を示した。
そして現行の政策を「誤った」政策だと形容し、「今こそ改める時だ」と強調。米国は台北にある民主主義の盟邦と直接対話をするべきで、これが「台湾旅行法」の要点であると訴えた。
台湾旅行法は、シャボット議員や米下院外交委員会のエド・ロイス委員長、ブラッド・シャーマン議員(民主党)らによって1月に草案が提出された。6月に下院外交委員会アジア太平洋小委員会、10月には同外交委員会を通過している。今後上下両院で可決され、大統領が署名すれば法案が成立する。
(鄭崇生/編集:塚越西穂)