蒋介石の権威復活 「中正記念堂」名称再び 台北市 衛兵交代式も再開

【1月26日 西日本新聞】

 【台北25日小山田昌生】台北市中心部の観光名所「台湾民主記念館」の名称が、故蒋介
石元総統にちなんだ元の「中正記念堂」に戻されることが決まった。1年余り前から休止
されていた衛兵交代式も再開し、蒋介石の流れをくむ国民党・馬英九政権下で権威復活の
動きが進んでいる。

 「中正」は蒋介石の本名で、その業績を顕彰する記念堂は死去後の1980年に建てられた。
民主進歩党(民進党)の陳水扁前政権は「独裁者」である蒋介石の威光を排除するため、
2007年5月に記念堂を「台湾民主記念館」に改名。同年12月には正門に掲げられた蒋介石
の座右の銘「大中至正(何事も中庸が良い)」の文字を「自由広場」に掛け替え、本館の
蒋介石銅像前で日中1時間ごとに行われていた衛兵交代式も中止した。

 だが、昨年5月に馬政権が発足し、与党・国民党が多数を占める立法院(国会)は今月
中旬、記念堂の名称復活を可決。管轄する教育部(教育省)は7月末までに本館の額を
「中正記念堂」に付け替える予定だが、正門の「自由広場」の文字は残す方針だ。


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