米国連邦議会・上院議員の半数が台湾との相互貿易協定を政府に要請

 米国はトランプ大統領をはじめポンペオ国務長官など閣僚の多くが台湾との関係強化を支持していますが、連邦議会も負けず劣らずです。

 周知のように、近年、米台のすべてのレベルにおける相互訪問を認める「台湾旅行法」(2018年3月16日)、台湾への武器売却や高官訪問などのコミットメント、2国間や多国間の新たな貿易協定の交渉権限を大統領に付与する「アジア再保証イニシアチブ法」(2018年12月31日)、台湾に不利となる行動をとった国に対して外交関係のレベルの引き下げなどの権限を国務省に付与する「台北法」(2020年3月26日)などの法案は、下院も上院も全会一致で成立しており、トランプ大統領の署名をもって制定させています。

 10月1日、100人で構成される米国連邦議会の上院のうち半数の50人が台湾との相互貿易協定(BTA)締結に向けた交渉を開始するよう促す連名書簡を米通商代表部のライトハイザー代表に送付したそうです。

 中央通信社によれば、軍事委員会のジェームズ・インホフ委員長(共和党)、外交委員会のロバート・メネンデス筆頭委員(民主党)、外交委員会のジム・リッシュ委員長(共和党)なども署名していると伝えています。

 台湾側も米国との相互貿易協定(BTA)締結は望むところで、ネックとなっていた米国産牛・豚肉の輸入規制について、蔡英文政権は8月末に緩和すると発表、2021年1月1日から実施予定です。

 これで米台の相互貿易協定交渉に弾みがつくことは必至で、それを上院議員50名が後押しした形です。

—————————————————————————————–米議会の超党派議員50人、台湾とのFTA交渉を政府に要請【ロイター通信:2020年10月2日】

 [ワシントン 1日 ロイター]  米議会の50人の超党派議員は1日、トランプ米政権に対して台湾との自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を開始するよう求めた。

 FTAの交渉が始まれば中国の反発は必至とみられる。

 共和党議員42人と民主党議員8人は、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に書簡を送り、台湾とのこれまでの経済的な連携や安全保障面での協力を取り上げ、包括的な貿易協定の締結に向けて正式に交渉を開始するよう求めた。

 台湾は米国とのFTA締結を長らく望んできたが、米国は台湾が米国産牛肉と豚肉の輸入を制限していることへの不満を示していた。

 ただ、台湾は今年8月、米国産牛肉と豚肉の輸入を全面的に解禁すると発表し、FTA交渉に一歩前進した。2021年1月1日付で解禁される見通し。

 2019年の台湾と米国の貿易規模は855億ドルで、米国が231億ドルの貿易赤字だった。台湾は米国にとり昨年14番目に大きい輸出市場だった。

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