米国下院「中国特別委員会」のマイク・ギャラガー委員長が極秘訪台

 訪米した台湾の呉[金リ]燮・外交部長と顧立雄・国家安全会議秘書長は2月21日、ウェンディ・シャーマン国務副長官やカート・キャンベルインド太平洋事務協調官など政府高官と会談したが、その直前の17日に米国防総省で中国担当高官トップをつとめるマイケル・チェイス国防次官補代理が台湾を訪問したと報じられ、また19日からは米国下院のロー・カンナ下院議員(民主党)率いる米議員団4人が台湾を訪問し、米台の要人往来が輻輳的な状況だった。

 その陰に隠れるようなかたちで、米国連邦議会下院「中国特別委員会」のマイク・ギャラガー委員長が2月17日からの台湾極秘訪問を終えて20日に帰国していたという。

 訪台では、蔡英文・総統と頼清徳・副総統と別々に会談し「台湾とアメリカの関係強化に関する問題について政府高官と深い意見交換を行った」(台湾外交部)というが、具体的な内容については報道されていない。

 テレ朝ニュースでは「ギャラガー議員は帰国後、ワシントン・ポストの独占インタビューに『混乱を避けるため秘密裏に台湾を訪れた』『アメリカによる台湾への武器の提供について議論した』などと語った」と伝えている。つまり、ワシントン・ポストのインタビューにより、ギャラガー委員長の訪台が発覚した。

 そもそも、米国下院の「中国特別委員会」こと「米中戦略競争特別委員会」(米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会)は、15回の投票で1月7日に下院議長に就任したケビン・マッカーシー氏(共和党)の提唱による。

 マッカーシー議長は「共産主義中国を信頼する時代は終わった」とし、中国がもたらす深刻な脅威に対抗するため、米中戦略競争特別委員会の設置を提唱、1月11日に賛成365、反対65の圧倒的多数で設立された。

 委員長には対中強硬派のマイク・ギャラガー氏(共和党)が就任し、委員会は政党の枠を超えた共和党員9人、民主党員7人で構成され、経済を強化してサプライチェーンを再構築し、軍事的な威圧行為に立ち向かい、米国民の個人情報や知的財産、雇用の窃取を止めるための強力な政策を提言してゆくという。

 退役軍人で下院軍事委員会のメンバーであり、国防のタカ派を自称するギャラガー委員長は、台湾での公聴会開催を提起していた。台湾への支援を増強、台湾への武器売却の重要性を高めて台湾支援を増強したいという考えからだという。

 そうすると、今回の訪台目的について「アメリカによる台湾への武器の提供について議論した」のは、台湾で公聴会を開催するための下打ち合わせだった可能性が高い。マッカーシー下院議長の訪台の件は、公聴会開催を秘密裏に運ぶための表の話題としたのかもしれない。

 いずれにしても、米国下院の「中国特別委員会」こと「米中戦略競争特別委員会」の公聴会が台湾で開かれることになれば、呉[金リ]燮・外交部長と顧立雄・国家安全会議秘書長のワシントン入りと同じく、中国の脅威に立ち向かう米台関係の新たな地平を切り開くことになる。

—————————————————————————————–米下院・中国特別委員長が訪台 蔡・総統とも会談【台湾国際放送:2023年2月23日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/96633

 アメリカの大手日刊紙、ワシントン・ポストが現地時間22日に報じたところによりますと、アメリカ連邦議会下院に新設された「中国特別委員会」のマイク・ギャラガー委員長が先週末から4日間、台湾を訪問していたことがわかりました。

 ギャラガー委員長は、台湾訪問を終えて20日に帰国した後、ワシントンポストの独占インタビューに応じ、この内容は22日に掲載されました。

 インタビューでは、ケビン・マッカーシー下院議長が 2024 年の台湾の総統選挙終了後に台湾を訪問する可能性があると明らかにしたとのことです。

 総統府のグラス・ユダカ報道官は23日、RTIの記者からの訪問日程についての質問に対し、ギャラガー委員長は蔡英文・総統と頼清徳・副総統と別々に会談し、双方の会談は非常に良好な雰囲気であったことを明らかにしました。また、台湾は一貫した立場を維持し、国際的な友人が台湾を訪問することを歓迎しており、民主主義、自由、平和を守るため、互いに引き続き協力していくことを望んでいると強調しました。

 外交部はギャラガー委員長の台湾滞在について、互いに関心を寄せる台湾とアメリカの関係強化に関する問題について政府高官と深い意見交換を行ったと述べました。

 加えて、外交部はアメリカ連邦議会のケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)下院議長の訪台について、現在のところ、情報は何も入っていないと述べました。

 外交部の劉永健報道官は、外交部の立場は非常に明確であり、アメリカから国会議員が来訪を通して台湾への支持を表明することを常に歓迎している。これからも駐米代表処は国会議員の友人と常に連絡を取っていく。具体的な情報があれば、我々は適宜国民などに向けて説明を行うつもりだと述べました。

 また、劉・報道官は、外交部(=外務省)の呉[金リ]燮・外交部長と国家安全会議(国安会)の顧立雄・秘書長が、バージニア州にあるアメリカの対台湾窓口機関、アメリカ在台協会(AIT)で、ウェンディ・シャーマン(Wendy Sherman)国務副長官、キャンベル・インド太平洋調整官らと会談した件について、台湾とアメリカの関係は近年、前向きな発展を続けており、経済と貿易、科学技術、教育、文化、安全保障上の武器売却、国際参加などの領域で、双方のパートナーシップは継続している。現在も、双方が関心を寄せる問題について緊密かつ円滑なコミュニケーションを維持しており、今後もこうした良好な関係を基礎に、交流と協力を継続していくと述べました。

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