米国の太平洋空軍主催のテレビ会議に日本や台湾など19ヵ国が参加

 去る4月29日、日本、米国、台湾をはじめインド太平洋地域から6カ国、80人余りの政府関係者や非政府組織(NGO)代表や専門家らが参加し、武漢肺炎をめぐる偽情報(ディスインフォメーション)への取り組みをテーマにテレビ電話会議「グローバル協力訓練枠組み」が実施された。

 驚いたことに同日(米国現地時間)、米国の太平洋空軍が主催し、台湾や日本などインド太平洋地域の空軍参謀総長らが武漢肺炎の感染状況や対応について意見交換するテレビ会議を行っていたことが明らかになった。

 参加国は、米国、台湾、オーストラリア、バングラデシュ、ブルネイ、カナダ、チリ、フランス、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、スリランカ、タイの19カ国。

 日本からは航空幕僚長の丸茂吉成(まるも・よしなり)空将が参加し、航空自衛隊のニュースリリースは「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響及び各国の対応状況について意見交換し、今後の活動に資する様々な情報等を得ました。空自からは、ダイヤモンド・プリンセス号における活動を含む防衛省・自衛隊の取り組み及び教訓について紹介し、引き続き、関係国の空軍種間で連携していくことで一致しました」と伝えている。

 驚いたことに、中央通信社の記事(下記)によれば、台湾は「米国とのテレビ会議や軍事交流はこれまでも実施されてきた」というのである。

 日本と台湾の直接的な軍事交流はなかなか難しいが、テレビ会議を通じた安全保障に関する情報交換ならいくらでもできるということになる。

 後は海軍なら「リムパック」、空軍なら「レッドフラッグ」など、米軍主催の軍事演習に台湾が参加できるようになれば、日米がインドやオーストラリアと進めている「自由で開かれたインド太平洋」構想(戦略)は切れ目のないシームレス状態を構築することができる。

 そうなれば、台湾を併呑し、太平洋を中国の海にしようとする「中国の夢」を阻止し、太平洋を自由と民主と法の支配の海とすることも可能となる。

 実はあまり知られていないようだが、河野太郎・防衛大臣は「自由で開かれたインド太平洋」構想(戦略)をさらに推し進めようと本年4月、太平洋島嶼国で軍を持つパプアニューギニア、フィジー、トンガの国防大臣や米・豪・英・仏など太平洋島嶼国と関係の深い国の実務者を東京に招き、安全保障上の課題に関する意見交換の場として「日・太平洋島嶼国国防大臣会合」を初めて開催することになっていた。

 残念ながら武漢肺炎のため延期となった。しかし、武漢肺炎によってこのようなテレビ会議が開かれ、そこに台湾が中国の圧力を受けずに参加できるようになったのは僥倖と言えようか。

◆航空自衛隊:インド太平洋地域空軍参謀総長等によるテレビ会談について[4月30日] https://www.mod.go.jp/asdf/news/release/2020/0430/

—————————————————————————————–台湾、19カ国空軍参謀総長らのテレビ会談に参加 米太平洋空軍が主催【中央通信社:2020年5月5日】

 (台北中央社)米太平洋空軍は現地時間2日、台湾を含む19カ国の空軍参謀総長や指揮官が新型コロナウイルスの感染状況や対応について意見交換するテレビ会談を先月29日に開催したと発表した。軍関係者は中央社の取材に対し、米国とのテレビ会議や軍事交流はこれまでも実施されてきたと明らかにした。

 米太平洋空軍の報道資料によると、参加国は米国と台湾のほか、オーストラリア、バングラデシュ、ブルネイ、カナダ、チリ、フランス、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、スリランカ、タイ。日本は航空自衛隊が参加した。

 国防部(国防省)の曹進平・通信電子資訊参謀次長室次長は4日の立法院(国会)外交・国防委員会で、テレビ会談の内容は公表を控えると述べ、米国との協議の下、専用のネットワークを使い、セキュリティー対策を施した上で実施したと説明した。

(游凱翔/編集:名切千絵)

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