昨日の本誌でもお伝えした米国のケリー・クラフト国連大使の訪台は1月13日から15日にかけてだと、国連のアメリカ政府代表部を通じて公表されました。
訪台中は蔡英文総統や呉[金リ]燮外交部長などと会談すると見られ、米国在台湾協会(AIT)は8日、「1月14日に台湾外交および国際事務学院(台灣外交及國際事務學院)で講演し、国際社会に対する台湾の貢献、および台湾による国際組織への有意義な参加を拡大することの重要性について発言」というニュースリリースを発表しています。
下記に米国在台湾協会(AIT)のニュースリリースと台湾国際放送の記事をご紹介します。
政権末期も末期になっての初の国連大使の台湾派遣は異例ですが、トランプ政権が発足以来すすめてきた台湾との関係強化を象徴するような訪台です。クラフト国連大使の発言に注目したいと思います。
◆American Institute in Taiwan :Ambassador Kelly Craft’s Travel to Taiwan[1月8日] https://www.ait.org.tw/ambassador-kelly-crafts-travel-to-taiwan/
—————————————————————————————–総統府「ケリー・クラフト米国連大使の訪台は台米関係の深化につながる」【台湾国際放送:2020年1月8日】
国連のアメリカ政府代表部は7日にアメリカのケリー・クラフト国連大使(Kelly Craft)が1月13日から15日まで台湾を訪問すると発表しました。クラフト国連大使は、就任後、複数回にわたって公の場で台湾による国際社会への参与を支持する立場を表明しました。クラフト国連大使は、1979年中華民国とアメリカとの国交断絶後、台湾を訪問する初めての現職のアメリカ国連大使になります。
アメリカの対台湾窓口機関、アメリカ在台協会(AIT)は8日にニュースリリースを発表し、クラフト国連大使は、訪問期間中、台湾の政府要人、および外交官と対面するほか、14日に外交部の外交および国際事務学院で演説を行い、国際社会に対する台湾の貢献、および台湾による国際組織への有意義な参加を拡大することの重要性を説明する予定を明らかにしました。
クラフト国連大使の訪台について、総統府の張惇涵・報道官は、重ねて歓迎を表明しました。
張惇涵・報道官は、「クラフト国連大使は、かねてから台湾を支持している。台湾は善良なパワーだと称えている。大使の今回の台湾訪問に心から歓迎している。これは、『台湾旅行法』のさらなる実践だと思う。台湾とアメリカの固い友好関係のさらなる増進につながる。台湾とアメリカとの今後の協力促進にもプラスになる」と話しました。
一方、外交部は、クラフト国連大使の台湾訪問について、それは、台湾とアメリカとの高官レベルの相互交流の強化を促すアメリカの「台湾旅行法」の具体的な実践だとの見方を示しています。
アメリカの連邦議会は、2018年の初めに「台湾旅行法」を可決、同年の3月にアメリカのトランプ大統領がそれに署名した後、正式に発効しました。「台湾旅行法」は、主にアメリカ政府に対して、「台湾とアメリカの各レベルの政府高官の相互訪問を増やすこと」、「アメリカの閣僚、将軍、行政機関の幹部職員を含む政府要人の台湾訪問に許可を与えること」、「台湾の政府高官によるアメリカ訪問を認めること」、「アメリカを訪問する台湾の政府高官がアメリカの国務省と国防総省を含むアメリカ政府の高官との対面を認めること」などを求めているものです。
「台湾旅行法」が発効した後、アメリカのアレックス・アザー厚生長官は、2020年8月に台湾を訪問しました。アザー厚生長官は、2014年以降、台湾を訪問した初めてのアメリカの閣僚であり、1979年、両国の国交断絶後、台湾を訪問したアメリカの閣僚の中で最も地位の高い政府高官です。
2020年9月、アメリカ国務省のキース・クラック次官も台湾を訪問しました。クラック国務次官は、1979年両国の国交断絶後、台湾を訪問した国務省の高官のうち、最も地位の高いものです。また、アメリカの環境保護庁のアンドリュー・ウィーラー長官は、昨年の年末に台湾を訪問する予定でしたが、スケジュールの変更により、台湾訪問が延期されました。
なお、最大野党・国民党の江啓臣・主席は、クラフト国連大使の台湾訪問について、台湾を支持する外国の友人の台湾訪問、および台米関係の強化について前向きな態度を示していること歓迎していると述べ、台湾とアメリカとの関係について、政府高官の相互訪問以外に、実質的で、実務的で、末永い具体的な交流も必要だとの見方を示しました。
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