トランプ大統領は12月27日、台湾への武器売却の常態化などを支持する「2020年台湾保証法案(Taiwan Assurance Act of 2020)や新型コロナウイルス関連の追加経済対策法案などと共に一括でまとめられた「2021会計年度歳出法案」に署名、法律として成立させた。
2020年台湾保証法案などは12月21日に上院と下院で可決していた。
台湾保証法案は2019年3月27日、上院では、ボブ・メネンデス(民主党)、トム・コットン(共和党)、マルコ・ルビオ(共和党)、テッド・クルズ(共和党)、キャサリン・コルテス・マスト(民主党)、クリス・クーンズ(民主党)の6人が共同提案し、下院では、エリオット・エンゲル下院外交委員会委員長やマイケル・マッコール下院外交委員会委員などが共同提案していた法案で、下院は2019年5月7日に全会一致で可決していた。
一方の「2021会計年度歳出法案」には日米台を中核とする「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)の関連活動に予算が計上されていて、Taiwan Today誌は「計上された予算は300万米ドル。GCTFは台湾、米国、日本がインド太平洋地域において公衆衛生、法の執行、災害救助、エネルギー協力、女性のエンパワーメント、メディア・リテラシー、優れたガバナンスなどを共同で推進するための協力の枠組み。このことは、発足から5年を迎えるGCTFの豊富な成果が米国の上院・下院の両方に評価されたことを意味しており、その意義は極めて大きい」と伝えている。 「台湾保証法案」では武器売却の常態化とともに、台湾の国際組織への参加の支持を米政府に促すほか、国務長官には成立から180日以内に、台湾との関係に関する書類やガイドラインの検討、高官による相互往来・交流を促す『台湾旅行法』の実施の状況などについて上下両院の外交委員会に報告することが求められているという。
米国では連邦議会とトランプ大統領の足並は、トランプ氏が大統領に当選して以降、台湾との関係強化ではぴったりそろっている。
「2021会計年度歳出法案」には「チベット人権法」も包括されており、中国共産党政権によるチベット自治区での人権弾圧問題でも議会と足並みをそろえている。
—————————————————————————————-米、「台湾保証法」成立 武器売却常態化を促進 外交部が感謝【中央通信社:2020年12月28日】
(ワシントン中央社)トランプ米大統領は27日、2021 会計年度の連邦政府予算案に署名し、一体化されていた「台湾保証法」が成立した。台湾への武器売却の常態化や台湾の国際組織への参加の支持を米政府に促すほか、国務省への台湾との関係見直しの要請などが盛り込まれている。
同法は、断交後の台湾との関係について定めた「台湾関係法」を基礎に、さらなる関係深化を目指すことが目的とされる。米政府は台湾の「非対称戦力」の発展を支持するとし、武器売却の常態化で台湾の自己防衛能力の強化を支援する立場が示された。
また、国務長官には成立から180日以内に、台湾との関係に関する書類やガイドラインの検討、高官による相互往来・交流を促す「台湾旅行法」の実施の状況などについて上下両院の外交委員会に報告することが求められる。
これに加え、予算案には、台米日の交流プラットフォーム「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)の活動費用として300万米ドル(約3億円)が組み込まれた。
外交部(外務省)は28日の報道資料でこれらに言及し、「米国の行政機関と議会の超党派の友人が具体的な行動で台湾への支持を示してくれた」と謝意を表明。今後の関係強化に期待を寄せた。
(江今葉/編集:楊千慧)
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