玄葉光一郎外相が台湾に異例のメッセージ

10月4日に沈斯淳(しん・きじゅん)台北駐日経済文化代表処代表が日本に帰任したこと
を受けるがごとく、玄葉光一郎外務大臣が台湾の皆様へお伝え願いたいとして、台湾との
窓口機関である交流協会を通じてメッセージを発表した。

 それを伝える報道は「外交関係のない台湾に日本の外相が呼びかけるのは異例」(日経
新聞)、「日本の外相が、外交関係のない台湾に呼びかけを行うのは異例だ」(読売新
聞)と驚きを隠さない。

 しかし、玄葉外相もこのメッセージで指摘するように「東シナ海の平和と安定の確保
は、すべての当事者に共通する利益」であり、そのためにも台湾との漁業交渉は「建設的
話し合いが行われること」が焦眉の急だ。中国の日台離間策が奏功する前に、日本は東シ
ナ海の安定の「鍵」を握る台湾と漁業協定を結んで連携しなければならないのは言うまで
もない。安全保障の面からも、台湾との連携は最重要課題だ。

 その点で、玄葉外相のメッセージ表明を素直に評価したい。ただし、日本は国交のない
台湾との関係を「非政府間の実務関係」と位置づけ、外務省の内規で、官僚の訪台を課長
までと定めている。果たして、実務関係を担うのが「課長まで」でできるのか。なぜその
ような内規を定めなければならないのか、根本的に見直さなければならない時期に来てい
る。

 玄葉外相が指摘するように、台湾とは「実務的かつ具体的な協力を進めていくことが重
要」だとしたら、なおさら「課長まで」ではすむまい。玄葉外相には、外務省内規の早急
な見直しを求めたい。 


交流協会を通じた台湾の皆様への玄葉外務大臣のメッセージ
【(財)交流協会:2012年 10月 5日】

 今般、今井正交流協会理事長が玄葉外務大臣を往訪し、最近の日台関係につき報告を行
った際、玄葉外務大臣より、交流協会を通じ台湾の皆様へお伝え願いたいとして、以下の
メッセージを託されました。

● 民主、平和、法治といった共通の基本的価値観を有する日台間では、長年にわたって
 良好な国民感情と深い相互信頼が育まれてきており、これを土台として、民間投資取決
 めの署名やオープンスカイの実現など、近年、日台間の実務関係が着実に発展してきて
 いることは誠に喜ばしいことです。政府としては、日台実務協力関係が引き続き着実に
 発展していくことを期待します。

● 昨年の東日本大震災に際して、台湾の方々から友情あふれる破格の支援を頂いたこと
 も、日台間の深い友情を示すものであり、今も我々日本人の心に深く刻まれています。
 日本政府としても、また、被災地・福島県出身の私個人としても、一人一人の台湾の
 方々から寄せられた温かい支援に対して改めて心からの謝意を表します。

● 個別の問題をめぐる主張や立場に異なるところがあったとしても、それによって日台
 間で対立的感情が深まり、交流や協力に悪影響が生じるのは誰も望んでいないものと信
 じます。日本と台湾とは隣人であり、近くにいるからこそ懸案が生じることもありま
 す。しかし、懸案については冷静かつ大局的見地から対応することが重要であり、個別
 の問題が日台関係の大局に影響することのないよう、日台間でしっかりと意思疎通に努
 め、理性的に対応していく必要があります。

● 海外に滞在する邦人の安全は、外務大臣としての最大の関心事です。いかなる状況下
 においても、台湾の在留邦人が安全かつ安心して暮らしたり、旅行できる環境が保たれ
 ていることは、台湾社会の成熟ぶりを示すものであると同時に、日台間に草の根レベル
 での友情が深く根付いていることを示すものと受け止めています。台湾の人々の理性的
 かつ友好的な振る舞いに強い感銘を受けるとともに、在留邦人の方々が引き続き安全面
 の憂いなく台湾での日々を送れるよう強く願っています。

● 東シナ海の平和と安定の確保は、すべての当事者に共通する利益であり、台湾側が先
 般発表した「東シナ海平和イニシアティブ」及び「推進綱領」も、我が国として受け入
 れられない部分はあるものの、かかる基本的な考え方と精神を体現したものと承知して
 います。対立をエスカレートさせたり、偶発的衝突を招きかねない挑発的行為を相互に
 自制しつつ、実務的かつ具体的な協力を進めていくことが重要であるという点につい
 て、日台双方の認識は一致しているものと信じます。この観点から、徒に緊張を高める
 ような事態が再び発生しないことを強く期待しています。

● かかる観点から、我が国は、最近、日台漁業協議の再開を提案しました。台湾側も、
 同協議の再開を強く希望していたと承知しており、日本政府としては、同協議が早期に
 再開され、双方が関心を寄せる議題について建設的話し合いが行われることを期待して
 います。

● 交流協会が、日台間の最も重要な意思疎通の窓口として、平素から台湾側と緊密に連
 絡を取り合い、強固な信頼関係を築いていることを多としています。今井理事長には、
 日台関係を更に発展させたいという日本政府の誠実なる気持ちを、私に代わって台湾の
 皆さんにお伝え願いたいと考えます。


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