3月17日、昭和天皇が摂政宮殿下として1923年4月に台湾を行啓(ぎょうけい)された際、宿泊所近くの台湾の人々が植えた桜の苗木が靖国神社に植えられ、記念碑も建立されました。
令和の御代が明けたことを祝い、摂政宮の台湾行啓にちなんで台湾に植えられた桜、ガジュマル、瑞竹の苗木を日本に里帰りさせる「桜里帰りの会」(加瀬英明・日本桜里帰りの会代表)が実施し、昨年4月29日には「昭和天皇ゆかりの桜」植樹の第1号を皇居乾門前の北の丸公園入口緑地に5本の桜を植樹しています。
靖国神社への植樹は2回目にあたり、山口建史宮司をはじめ台湾側理事の許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表や趙中正・全日本台湾連合会会長なども立ち会う中、靖国神社の第1鳥居(大鳥居)右手の緑地に2本の桜を植樹し、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表が揮毫された「昭和天皇ゆかりの桜」と刻まれた石碑を建立しています。
ちなみに、当時の行啓記録によりますと、摂政宮殿下は台湾を行啓中に4度、台湾にちなんだ植物をお手植えされました。最初は4月17日に台北の台湾神社拝殿東側に油杉、次が18日に台北の台湾軍司令部玄関前庭にガジュマル(榕樹)、3回目が20日に薨去された北白川宮能久(よしひさ)親王を最初にお祀りした台南の新営神社の拝殿先中間左側にガジュマル、4回目が21日に台南の歩兵第二連隊(現在の成功大学)営庭にガジュマルをお手植えになっています。
下記に中央通信社と産経新聞の記事をご紹介します。
◆昭和天皇ゆかりの台湾の桜、靖国神社に植樹 台日友好の絆の深化願う 【中央通信社:2022年3月18日】 https://japan.focustaiwan.tw/society/202203180001
—————————————————————————————–昭和天皇ゆかりの桜、台湾から「里帰り」 靖国神社に植樹【産経新聞:2022年3月17日】 https://www.sankei.com/article/20220317-CGHCQE3UCVLUZNYKWPFPAJA4KA/
昭和天皇が皇太子時代に行った台湾行啓(ぎょうけい)の際に植えられた桜の苗木が17日、東京都千代田区の靖国神社に植樹され、記念の石碑が建立された。
「桜里帰りの会」の日本側会長で外交評論家の加瀬英明氏は「先の大戦で3万人の台湾の方々が戦死され、靖国神社に祀(まつ)られている。(桜が)日本と台湾の友好の絆を高め、日本とアジアの平和と繁栄を見守ることを願う」とあいさつ。
台湾側理事の許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使に相当)は「ロシアが無謀にウクライナに行ったような中国による台湾への侵攻を防ぐため、桜を通じて日本と台湾の親密な交流がさらに発展することを祈念します」と応じた。
桜の苗木は、靖国神社大鳥居の手前にある、ひな壇緑地に植樹された。里帰りした桜は1923(大正12)年4月、当時の皇太子裕仁親王が台湾を訪問したのにちなみ、台湾民衆が宿泊先の近くに植えた。
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