本日付の産経新聞が「台湾の陳水扁総統が今月末から中米パナマ訪問の帰途、
給油のための日本への一時立ち寄りを打診したものの、日本側が緊急性がないと
して拒否していたことがわかった」と報道したことに対して、メールマガジン「
台湾の声」(林建良編集長)が「中国の嫌がらせで腰砕けになってはならない」
と日本政府を叱咤するコメントを付して紹介しています。
確かに、アメリカ政府はすでに国内通過・滞在を許可し、連邦議会議員との面
会も容認するようになっているにもかかわらず、なぜ日本はできないのでしょ
うか。李登輝前総統の来日問題とも底通する事柄ですので、ここに「台湾の声」
を転載してご紹介します。 (編集部)
【産経】政府、台湾総統立ち寄り拒否
日本政府が配慮すべきか?
外務省の慎重論の背景として、「アジア杯での反日行動」、「日本EEZ付近
での中国の天然ガス田開発」があがっているが、これらはすべて中国側が「日中
関係をぎくしゃくさせている」のである。このような中国の挑発行動に対し、日
本が「配慮」して自粛する必要がある、というのは逆ではないか。日本と台湾は
中国の圧力を受けている点で共通している。台湾人民が選んだ陳水扁大統領の申
し入れに対して、より戦略的に対応する必要がある。中国の嫌がらせで腰砕けに
なってはならない。
台湾の声編集部
産経15日
台湾総統立ち寄り拒否
給油目的 政府、中国側に配慮
台湾の陳水扁総統が今月末から中米パナマ訪問の帰途、給油のための日本への
一時立ち寄りを打診したものの、日本側が緊急性がないとして拒否していたこと
がわかった。日本政府関係者が明らかにした。乗り継ぎのためとはいえ台湾総統
が初めて来日することに対し、中国の強い反発が予想されることを考慮したもの
とみられる。
陳水扁総統は今月末から来月にかけパナマを訪れ、米国を往路、帰路それぞれ
通過する予定。現在、米政府と通過する空港について折衝中だ。
日本に対しては今月初め、「燃料を補給するため立ち寄らせてほしい」として
関西国際空港への着陸を打診してきた。東京に近い成田空港を避けて大阪にする
ことで「政治色」を薄め、日本側の了解を得やすくする狙いがあったとみられ
る。
政府・与党内には「日本で乗り継ぎしなければならない理由があれば認めても
いいのではないか」との声も出ていた。
だが、サッカー・アジア杯での中国人観衆の反日行動、東シナ海上の排他的経
済水域(EEZ)の境界として日本が主張する「日中中間線」付近で中国が天然
ガス田開発を行っている問題など日中関係がぎくしゃくしている中で、陳総統の
日本立ち寄りを認めた場合、中国が激しく反発するのは必至だけに、外務省には
慎重論も強かった。
結局、陳総統が航続距離の長い航空機を使う予定だと分かり、日本に立ち寄る
緊急性はないとして断わることになった。
台湾要人の訪問では、平成十三年に李登輝前総統が岡山県倉敷市で心臓病の治
療を受けるため訪日を申請。森喜朗政権(当時)は中国の反発や、国内の慎重論
を押し切り、条件付きの入国査証(ビザ)発給に踏み切った。
台湾は「外交空間」拡大の一環として、要人の中南米訪問に際しての米国立ち
寄りを重ねており、米政府は国内通過・滞在を許可し、連邦議会議員との面会も
事実上、容認するようになっている。
「台湾の声」http://www.emaga.com/info/3407.html
「日本之声」http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe