*読みやすさを考慮し、小見出しは本誌編集部で付したことをお断りします。
◆大中華は強盗の国、小中華はスリの国
台北市警察局は、忠烈祠で日本人観光客を狙ってスリを働いていた中国籍の男を逮捕しました。この男は、2016年以来、台湾に10回も訪れては、日本人観光客をターゲットに財布を盗むなどの犯罪を犯していたとのことです。
台湾は世界一の親日国であり、また、さまざまなランキングでも、安全な国としてトップ5位内に選ばれることも多い台湾。2017年の安全な都市ランキングでは台北が世界3位に選ばれました(ちなみに東京は16位)。
それだけに、台湾は日本人にとっては非常に居心地のいい国であることは間違いなく、日本にいるときのように警戒心が薄くなるのも、当然かもしれません。しかし、そこを狙ってくるのが中国人です。
2015年にも、中国人スリ集団が台湾で日本人観光客を狙って窃盗を繰り返していた事件がありました。
台湾人であれば、中国人がいれば、服装や雰囲気ですぐにわかります。また、同じ中国語であっても、台湾人と中国人の発音は異なります。たとえば北京人はR化音(巻き舌音)が多いですが、台湾人はほとんどR化音を使いません。
台湾人は中国人の犯罪手口もよく知っていますから、騙されたり、カモられたりすることは少ないのです。
しかし、日本人観光客にとっては、台湾にいる中国人は、台湾人なのか中国人なのか、ほとんど見分けがつかないでしょう。みんな日本人に親切な台湾人だと思っていたら、その安心感につけ込んでくる中国人がいるので、注意が必要です。
かつてタイでは、台湾人と自称する人物から「パスポートをなくして困っている。お金を貸してほしい」と声をかけられて、金銭を騙し取られる詐欺被害が多発したことがありました。
中国人も韓国人も、すぐに他国人を偽装するから厄介です。海外でトラブルを起こした中国人や韓国人が、「自分は日本人だ」と偽装するということは、以前からよく言われてきました。
大中華は強盗の国、小中華はスリの国として有名で、私もアルゼンチンのブエノスアイリスの国会付近の店で「中国人は入るべからず」という張り紙が貼ってあったのを写真にとって、産経新聞社の『正論』に投稿したことがありました。
2015年には、台湾で「日本人」を名乗っていた韓国人売春婦が摘発された事件が台湾で大きく報じられました。日本人になりすましたほうが、値段が高くなるからだそうです。しかし、日本では週刊誌くらいにしか載らない小さなニュースとして扱われただけでした。
日本でも、犯罪を犯した在日韓国人が通名によって日本人であるかのように偽装し、メディア報道されていることが、問題視されています。
◆中国「八毒」のひとつが「なりすまし(冒)」
これまでの『警察白書』の数字を見ると、在日外国人の犯罪件数では、中国人、韓国人が1位、2位を争っていますが、最近では国籍ごとの詳しい数字が出ずに、「アジア系」と書いてごまかすケースが増えています。
一方、台湾人にとって、「中国人」と思われることは、耐え難い侮辱です。「自由時報」は、ネット上で「台湾人を1秒で激怒させるにはどうしたらいいか」という議論があり、そのなかで最も多い答えが「中国人と呼ぶことだ」だったと報じています。
そんな台湾人にとって、中国人が台湾人になりすまして日本人を含め外国人に犯罪を犯すのは、許しがたい行為なのです。
中国人の「なりすまし」は海外でもよく行われています。つい先日も、偽のパスポートで日本人に偽装した中国人夫婦がイギリスの空港で身柄を拘束されました。日本人と中国人の場合は、西欧人でも比較的見分けがつくらしく、しぐさなどから中国人であることが見破られたようです。
中国では「八毒」というものが社会問題として取り沙汰されていますが、そのひとつが「なりすまし」(冒)です。ある台湾の公安関係者の話では、最近の白書に密入国の統計数字が出なくなったのは、中国人が他人になりすまして、堂々と偽パスポートで入国してくるからだそうです。
台湾で強盗や泥棒で逮捕される外国人は、たいてい中国人か韓国人で、2017年には政権政党である民進党本部が韓国人の泥棒に入られ、引き出しにしまってあったカネを盗まれたこともありました。
日台の絆が深まることはいいことなのですが、それに便乗して、中国人が「台湾人」を自称して、日本人を騙すケースが今後も増えてくる可能性があります。それがひいては、日台の関係をおかしくしてしまう可能性もあります。
台湾人も日本人も、こうした日台関係にヒビを入れてくる中国人には気をつけなくてはなりません。