一昨日の本誌(第1284号)において、「日刊サイゾー」というインターネット紙の取材
を受けた日台交流センターの職員が「戦後、日本の敗戦にともない台湾が中華民国(中国
国民党政府)に返還されました」と答えたことを紹介、歴史事実ではない由々しき発言と
して、日台交流センターを設けている(財)交流協会に連絡したところ、日台交流センター
長は言下に「こういう事実はあり得ない」と断言、翌日、改めて交流協会に連絡したとこ
ろ「取材を受けた日台交流センターの者は、台湾が中華民国に返還されたなどとは言って
おらず、『日刊サイゾー』に訂正を要求した」ことをお伝えした。
その後、「日刊サイゾー」が訂正したかどうかを確認したところ、なんと返還云々は完
全に削除され、訂正されていることが判明した。
下記に訂正前と訂正後の記事を紹介するが、交流協会の迅速な対応と、それに応じた「日
刊サイゾー」紙の勇気を讃えたい。やはり、訂正するのは報道機関として確認調査も必要
だし、勇気のいることなのだ。
その点で、本誌のその号でも書いたように、中学校の地図帳や高校教科書など、まだま
だ「日本は台湾を中国に返還した」という誤った記述が横行している。
また、先にも本誌でお伝えしたように、昨年8月に中日新聞(東京新聞)にも、日本は19
45年に台湾を中国に返還したとする同様の記事が掲載され、以来、中日新聞(東京新聞)
に質問という形で訂正を求めていたが、中日新聞(東京新聞)側は頑として非を認めない。
それどころか、「『日本はポツダム宣言受諾に伴い、台湾の領有権を中国(当時)に渡
した』という立場に立って報道」してきているとし、訂正には応じられないとの最終回答だった。
すでに中日新聞(東京新聞)にも通告しているが、近々、その経緯や担当者の名前も連
絡先も公開する予定だ。皆さんのお力添えをいただき、ぜひその誤った認識を正したい。
▼ 4月6日掲載時の記事
「世代や政治的なスタンスによって違うとは思いますが、一般的によく言われるのは、戦
後、日本の敗戦にともない台湾が中華民国(中国国民党政府)に返還されましたが、蒋介
石時代には市民がひどく弾圧されたという歴史的背景があります。(略)」
▼ 訂正記事
「世代や政治的なスタンスによって違うとは思いますが、一般的によく言われるのは、日
本の敗戦に伴い、1949年以降、蒋介石氏が率いる国民党政権が台湾にやってきましたが、
その時代、市民がひどく弾圧されたという歴史的背景があります。(略)」
■ 日台交流センターに聞いた「義援金100億突破―」台湾はなぜ親日家が多い?
【日刊サイゾー:2011年4月6日】
http://www.cyzo.com/2011/04/post_6993.html