本誌で産経新聞の「『二つ目の本土派政党を目指す』台湾基進党主席 陳氏」を紹介した際、「台湾人アイデンティティはもちろん愛国心さえ感じさせる発言は、明日の台湾をになう気概を感じさせる」と述べたが、若者の投票が目立った今回の選挙において、陳柏惟候補の当選はそれを象徴しているのではないだろうか。
中央通信社が記事にしているので下記に紹介したい。
◆台湾基進党 https://statebuilding.tw/
—————————————————————————————–台中2区で独立派政党の新人が国民党の現職下す=台湾・立法委員選【中央通信社:2020年1月12日】http://japan.cna.com.tw/news/apol/202001120004.aspx
(台中中央社)立法委員(国会議員)選挙の投開票が11日行われ、激しい選挙戦が繰り広げられてきた中部・台中市の第2選挙区(沙鹿、龍井、大肚、烏日、霧峰)では、台湾独立を主張するミニ政党・台湾基進党新人の陳柏惟氏(34)が国民党の現職、顔寛恒氏(42)を下した。陳氏の得票数は11万2839票で得票率は51.15%だった。
陳氏は南部・高雄市生まれで、高雄大学情報管理学科卒業。台湾基進党の広報を務める。かつては映像関連の仕事に従事しており、2018年に政治関連の経歴を持たない「政治の素人」として高雄市議会議員選に出馬したが落選した。同党は「台湾の進歩には根本からの改革が必要」と訴え、2008年に社会団体として成立。2014年には政治団体の「基進側翼」、2016年に「基進党」の名称で政党として発足し、昨年に現名称になった。
顔氏の父親は地元で著名な媽祖廟・鎮瀾宮の董事長(会長)で長期にわたって議員を務めていた顔清標氏。寛恒氏は、汚職で公民権を剥奪された父親の代わりに2013年の立法委員補欠選に出馬し僅差で勝利。2016年に再選を果たし、3期目の当選も楽観視されていた。
選挙戦では、陳氏が「世襲政治の打破」を打ち出し、「顔氏を政治のしがらみから解放させ、自由な人生を送らせよう」などと呼び掛ける戦略を採用していた。
(劉冠廷、蘇木春/編集:荘麗玲)