台湾を矮小化する地球儀に駐日代表処が抗議、販売中止へ

【1月10日 台湾週報】

 学習教材大手「学研」グループである「学研トイズ」が販売する地球儀「スマートグ
ローブ」が、台湾を「台湾島」と矮小化して表記していたことがわかり、台北駐日経済
文化代表処は1月10日に販売元の「学研トイズ」に対し厳正なる抗議を行った。

 同製品は、備えつきのペンで地球儀上の地図を指すと音声ガイドが流れる仕組みにな
っており、「台湾島」を指すと「中華人民共和国」の情報が流れるようになっていた。

 また、同製品の説明書には「この地球儀は生産国の中華人民共和国政府の指示により、
地球儀表面の『台湾』の表記が『台湾島』 音声が『中華人民共和国』となっておりま
すことをあらかじめお断りさせていただきます」というメモが添付されており、中華人
民共和国政府の意向を受けたものであることを同社は認めていた。

 1月10日付の「産経新聞」は一面記事でこの地球儀問題を取り上げ、「工場が中国
にあり、中国政府から表記を変更しないと日本への輸出を認めないと迫られた」という
学研トイズの説明を伝えている。

 台北駐日経済文化代表処の朱文清・広報部長は同日、学研トイズの中村晃一・代表取
締役に対し、厳正なる抗議を表明した。

 朱部長は抗議文のなかで「(学研トイズは)故意に台湾を中華人民共和国の一部とし
て表記することを黙認した」と指摘し、「台湾は中華人民共和国とは別の主権国家であ
り、(学研トイズの行為は)台湾に対する主権侵害の加担にほかならない。…速やかに
事実に基づいた正しい表記に改め、中華人民共和国による台湾への主権侵害に加担しな
いよう、…台湾国民の感情を傷つける同製品の販売中止を要求する」と訴えた。

 同日午後、学研トイズは同社のホームページ上で「弊社商品『スマートグローブ』に
おきまして、不適切な表現・表記がありました」と認め、販売中止および返却希望者へ
の商品回収を決定したことを発表した。



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