台湾の游・立法院長が7月4日に蘇澳からフェリーで与那国島を訪問

 台湾の游錫●・立法院長が7月4日、宜蘭県蘇澳からフェリーで沖縄県与那国(よなぐに)島を訪問するという。游院長は6月8日のラジオ番組で「与那国島と宜蘭の間で旅客船が運航できれば、日本から多くの観光客が台湾を訪れ、また台湾からも与那国島へ訪れる人が増えれば、与那国島の経済も潤う」とその意義を述べたと伝えられる。(●=方方の下に土)

 与那国島では、日華議員懇談会会長の古屋圭司・衆議院議員が待ち受け、復路では古屋会長も同行の予定だそうだ。

 一読して素晴らしいアイディアだと思ったものの、与那国島と台湾間のフェリー運航はそれほど簡単ではなさそうだ。出入国の際に必要な「税関・入国管理・検疫」という手続きが必要となるからだ。

 与那国町(糸数健一町長)では、台湾との交易をはかるため、花蓮市との高速船の「台湾航路」の実現に向けて対策を講じているというが、「税関や入管は島内で臨時的に設置可能だが、検疫は病院や保健所のない島内ではハードルが高い」(沖縄タイムス)と伝えられる。

 游院長は「立法院の林志佳秘書長に調整を求め、また外交部、交通部もこの件を既に認識しているとし、同時に宜蘭県と蘇澳の担当者も検討に加わっている」と述べるとともに「今回は試験的なもので、実際に運航できるかどうかはまだ不透明」(台湾国際放送)と述べている。

 そこで、与那国と蘇澳間の「台湾航路」実現のため、日華議員懇談会の古屋圭司会長にも一役買ってもらおうということのようだ。与那国・蘇澳間の台湾航路が実現すれば、与那国・花蓮間の「台湾航路」もおのずと開けてくる。今後の進展を見守りたい。

—————————————————————————————–游立法院長、来月に船で与那国島訪問へ 復路は古屋日華懇会長も同行【中央通信社:2023年6月8日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202306080003

 (台北中央社)游錫●(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長)は8日、ラジオ番組に出演し、来月4日に北東部・宜蘭県蘇澳からフェリーで約110キロ離れた沖縄県与那国島を訪問し、日本の超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)会長の古屋圭司衆院議員と面会する予定を明らかにした。復路は古屋氏も同行する計画だとした。

 游氏は今年5月、日本の衆院議員や自民党青年局のメンバーらが立法院(国会)を訪問した際、蘇澳と与那国島を結ぶフェリー航路の開設に期待を寄せていた。

 游氏は今回の訪日について「仕事」だとし、フェリーの運航についても「試験運航」だと強調。実現可能性を検証し、可能であれば本格運航させたいと述べた。

 古屋氏については、与那国島からフェリーに乗り宜蘭を訪問する予定だとしながらも、具体的なスケジュールについては天気の影響などを受けて変更する可能性があると語った。

(范正祥/編集:齊藤啓介)

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