台湾で今年も「天皇誕生日祝賀会」が開催

12月14日、台湾・台北の国賓大飯店において交流協会台北事務所(駐台日本大使館に相
当)の主催による「天皇誕生日祝賀会」が開かれた。楊進添・外交部長や王金平・立法院
長など数百人が参加し盛大だったと伝えている。下記に中央通訊社の記事をご紹介したい。

 この天皇誕生日祝賀会は、日本の「ナショナルデー」である天皇誕生日を祝い、日本の
在外公館が年に1度開く重要なレセプションだ。

 各国の在外公館もその国のナショナルデーを祝い、必ず開いている。多くはアメリカの
ように独立記念日をその日としているが、ドイツは「統一記念日」(10月3日)、バチカン
は「法王ヨハネ・パウロ2世就任の日」(10月22日)、デンマークは「女王誕生日」(4月
16日)、中国は「国慶節」(10月1日)と、その国独自のナショナルデーを定め、公館を設
置する国の要人数百人を招いてお祝いしている。

 台湾で日本大使館に相当する交流協会台北事務所が天皇誕生日祝賀会を再開したのは、
そう古いことではない。記事にもあるように、8年前の2003(平成15)年のことだ。当時の
内田勝久(うちだ・かつひさ)交流協会台北事務所代表が再開した。

 詳しくは内田氏の『大丈夫か、日台関係−「台湾大使」の本音録』(産経新聞出版)を
参照いただきたいが、中国は当時、台湾で天皇誕生日祝賀会を開くことに猛反対し、日本
に何度も抗議した。なぜなら、日本が台湾で天皇誕生日祝賀会を開くのは、台湾を国家と
して承認することに通じるからだ。台湾を「核心的利益」として位置づけ、その領土の一
部とする中国にとっては、受け入れられないのは当然であろう。

 当時、中国の報道官が「絶対受け入れられない。即刻、中止すべきだ」と恫喝まがいに
吠えていたことを思い出す。しかし、内田氏は淡々と事を進め、2003年12月12日に天皇誕
生日祝賀会を開催したのだった。5回目の開催となった2007年には外交部長が初めて祝辞を
述べ、当時の池田維(いけだ・ただし)代表を「大使」と呼んだこともあった。

 李登輝元総統も出席されたことがあるが、亡くなられた黄昭堂・台湾独立建国聯盟主席
は毎年、このレセプションに「祝 天長節」と書いた生花を贈り続け、それは必ず会場入
口に飾られていたと漏れ聞く。

 昨年1月に就任した今井正代表も淡々と天皇誕生日祝賀会を開き、今年も再開9回目とな
る天皇誕生日祝賀会を開いた。中国政府はもはや何も言わない。


台北で天皇誕生日祝賀会 楊外交部長が祝辞
【中央通訊社:2011年12月14日】
http://japan.cna.com.tw/Detail.aspx?Type=Classify&NewsID=201112140013

 【台北 14日 中央社】 台北市内で14日夜、日本の対台湾交流窓口、交流協会台北事務
所(大使館に相当)が主催する天皇誕生日の祝賀レセプションが開かれ、楊進添外交部長
(写真左)、王金平立法院長をはじめ、台日双方の招待客数百人が集う盛会となった。

 交流協会台北事務所の今井正代表(右)は、3月の東日本大震災での台湾からの温かい支
援に感謝すると共に、この1年間の台湾と日本の交流を振り返り、日台間の投資取決めや航
空自由化など、多くの進展があったと関係深化を喜んだ。

 楊外交部長(外相)は、台湾を代表して天皇陛下の78歳の誕生日に祝意を表し、また被
災復興の真っ只中にある日本を改めて激励した。今年の震災に際し、台湾からは、1人あた
りで世界最高となる約200億円分の義捐金が寄せられている。

 天皇誕生日祝賀会は日本の在外公館の恒例行事だが、中華民国(台湾)と日本は1972年
に断交、以降正式な外交関係はなくなったため、祝賀会は中止となっていた。2003年に31
年ぶりに再開され、2007年からは外交部長の来賓出席が定例化した。


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