台北、台中、高雄の3市にあります。
このたび台北日本人学校で発行している「台湾を知ろう! 社会科通信」が「日台姉妹
都市提携について」を特集、ありがたいことに本会作成の「日台姉妹都市一覧」(2013年3
月4日現在)をご紹介いただきました。その全文を下記にご紹介します。
この「社会科通信」を担当する小野寺仁志先生から、通信に添えて下記のようなお便り
をいただきました。
≪通信にも書かせていただきましたが、今後、日台の絆を深めていくためにも、まずは
「台湾を知ること」「日本を知ること」「日台関係を知ること」を目標におき、具体的に
学校生活の場面で取り入れていかなければならないと思っております。
日本人学校の中学部の授業の中で、台湾と日本の関係性を歴史的・文化的に理解してい
こうとするプロジェクトが今年度からスタートし、その流れを受けて、先日は李登輝前総
統にお越しいただき、大変貴重なお話をうかがうことができました。
生徒も事前学習で李登輝前総統の功績を学び、その上で講演を聴いたので、理解が深ま
ったようでした。≫
蔡焜燦先生(李登輝民主協会理事長、「台湾歌壇」代表)が台北日本人学校で話された
ことは仄聞していましたが、李登輝元総統が中学生に話されていたとは驚きです。李元総
統のご講演は5月24日のことだったそうで、そのときの模様を「台北日本人学校日記」で8
枚の写真とともに下記のように伝えていました。
≪李登輝前総統にお越しいただいて講演会を行いました。緊張感を持って迎えた中学部生
徒に対して、にこやかに手を振りながら体育館に入場された李登輝前総統は、後藤新平の
台湾の功績や総統職を経て考えたことなどをお話してくださいました。講演の終わりに
は、たくさんの生徒の質問に一つ一つ丁寧に答えてくださいました。生徒のみならず、教
職員にとっても、多くの希望や自信を与えていただいた貴重な機会となりました。≫
李元総統や蔡焜燦先生に限らず、ニュースにならない地道な交流によって日台関係は支
えられ、それが「日台漁業協定」に象徴されるようなさまざまな分野での協定として花を
開かせているようです。
ちなみに、本会ホームページには「姉妹都市交流」欄を設け、台北日本人学校「社会科
通信」でご紹介いただいた「台湾と姉妹提携する日本の自治体・議会」(平成25(2013)年6
月12日現在)を掲載しています。
◆台北日本人学校
http://www.taipeijs.org/
◆台北日本人学校日記「李登輝前総統 講演」(平成25年5月24日)
http://www.taipeijs.org/modules/wordpress/
◆日本李登輝友の会ホームページ「姉妹都市交流」
http://www.ritouki.jp/sister-city.html
台湾を知ろう! 社会科通信 No.1
【平成25年5月31日 発行:台北日本人学校社会科部会】
◆はじめに
今年度も始まりました、台北日本人学校社会科部会が発行する『社会科通信』です。
この通信の題名の通り「台湾を知ろう」ということで、毎月様々なテーマを起点とし
て、台湾についての理解を皆様と一緒に深めていきたいと考えています。また、この通信
が日本と台湾の友好関係を維持・発展させていくきっかけとなるようにしていきたいと考
えております。1年間よろしくお願いいたします。
◆今月のテーマ「日台姉妹提携都市について」
「親日家が多い」と言われている台湾ですが、我々日本人はどうなのでしょうか。
2011年に台北駐日経済文化代表処の委託を受けて民間調査会社が行った調査で、台湾に
親近感を感じている日本人の割合が震災後に1割増え、3分の2を超え、また、日台関係が良
好だと考える人は9割を超えたということで、東日本大震災をきっかけに台湾に対する親近
感が増していることが分かりました。ただ、日本人の台湾に対する意識が『震災後』に高
まった感は否めません。それが悪いということではありません。そういう一時的な興味関
心や親近感ではなく、日本人がもっと台湾と日本の歴史や文化を知り、日台関係の現状を
認識することで『一時的』から『永続的・持続的』な友好関係につながっていくのではな
いかと思うのです。
その第一歩として、今号では、友好関係の象徴としての『日台姉妹提携都市』の紹介を
させていただきたいと思いました。
裏面の資料にもある通り、姉妹提携都市は徐々に増えてきています(編集部注:本会ホ
ームページ掲載の「台湾と姉妹提携する日本の自治体・議会」、下記別掲)。最近では群
馬県の自治体が立て続けに台湾の彰化県、台中市、高雄市と提携を結んでおり、交流が深
まっています。
姉妹提携を結ぶきっかけは様々です。「双方の都市名が同じ」「台湾出身の医師が日本
の病院に勤務していた」「海外交流を望んだ日本の村が、日本に近く伝統や文化の源を同
じくする台湾に魅力を感じた」「双方の都市を行き来する民間会社が仲介した」「村長が
台湾の学校に在籍していた」「村長が台湾の学校で教師をしていた」「昔から、漁民どう
しのつながりがあった」「スポーツの世界大会の競技種目について台湾の方から指導して
いただいた」「双方の都市で伝統的に行われている祭が共通のものだった」「昔からお互
いの都市間で農作物の輸出入を行っていた」「台湾が大戦中の疎開先だった」などです。
すべての姉妹提携に共通しているのは、1つのきっかけを大切にし、双方の都市が「恒久
的な親善関係」を願っているということです。また、きっかけが文化交流だったとして
も、その後、諸産業の経済協力、教育、スポーツなど様々な分野の交流に発展していき、
現在もすそ野が広がっています。
未来の日台友好のために我々ができることは、歴史的にも文化的にも「日本を知るこ
と」「台湾を知ること」「日台関係を知ること」です。歴史的な背景があり、日本と台湾
は国レベルでは正式な友好関係をなかなかアピールできずにいますが、都市レベルではこ
んなにも盛んに友好関係が築かれているという事実を知ることが、未来への第一歩だと思
います。
(文責:小野寺仁志)