北海道と台湾の友好の深まり  藤見 尚子(日台交流コーディネーター)

昨年10月1日から、台湾総統府国策顧問の秘書を務めたこともある、台湾在住17年目という藤見尚子(ふじみ・なおこ)さんが「note」というメディアプラットフォームで、台湾と日本のことなどをやわらかな筆致で紹介している。

これまで、自己紹介の「台湾より、初めまして。

」(2024年10月1日)に始まり、同じ日に「真っ先に書き留めたい」として「台湾総統府でボランティアをしていた林玉鳳さんの日本への思い。

『私は戦争の後、自分の誕生日をお祝いしていないの。

なぜなら・・・』」を書き、その翌日には林玉鳳さんが日本語で書いた「台北の下町」を紹介した。

その後も、「30年前は香港が良かった。

台湾を知らなかった時のこと。

」(2024年10月11日)、「そうだ、日本に行こう!を楽しむ台湾の人たち」(2024年10月16日)などのエッセイを書き留めている。

いずれも気軽に読める内容ながら、台湾で生活しているとこういうところに気づくのかと思わされるものが多い。

「note」を開けば、これまで発表した記事がすべて掲載されているので、どこから読んでもよい。

本誌初紹介の今回は、第1回の「台湾より、初めまして。

」と10月22日の「北海道と台湾の友好の深まり」をご紹介したい。

◆台湾より、初めまして。

【note:2024年10月1日】
 https://note.com/naokotaiwan/n/n0afabf9cf2a2


北海道と台湾の友好の深まり
【note:2025年1月22日】
https://note.com/naokotaiwan/n/nb7bef14dd01b?rt=email&sub_rt=daily_report_followee_notes

北海道には179の市町村があります。

私が一昨年まで札幌にある台湾の外交機関に勤めていた時、北海道の市町村と台湾の市町村の友好交流協定締結に携わりました。

台湾と北海道、北と南とはいえ、農業が盛ん、漁業が盛ん、町の特産品が似ているなど、意外と共通点があり、その共通点から、将来教育、経済、文化、観光など多方面での交流を深めるべく、友好交流協定を締結するというものです。

今は、北海道と台湾の自治体の友好交流協定は、既に18組誕生しています。

2022年8月の北海道白老町×花蓮県秀林郷から始まり、2024年11月の利尻町利尻富士町×小琉球までの18組は、かなり早いペース。

それだけ、北海道で台湾の自治体と友好関係を築くことに、前向きな市町村が多いことの表れでもあります(嬉しいことです)。

協定が結ばれた後は、先ずは首長が相互訪問をして交流を深め、協定に定められた内容が具体的に進められていく場合が多いです。

今月上旬、私は2023年4月に結ばれた北海道安平町と台南市安平区の友好交流協定により実現した、学校交流に同行しました。

この2つの地域、安平町と安平区、名前が同じことが大きな理由の一つ。

ただ面白いことに、この2つの地域が繋がるきっかけとなったのは、23年の協定締結よりも5年も早い2018年、子どもたちの国際交流活動での発見によるものでした。

安平町にある児童館で、「世界と繋がろう」プロジェクト、「アビラ」と名前の付く世界の国々を探して手紙を書こう!が実施されたときのこと。

ある一人の小学生が、台湾の台南に「安平区」があることを発見しました。

そうして、子どもたちが台南市安平区の小学校に手紙を書くことになったのです。

この時生徒が見つけた世界の「アビラ」はスペイン、アメリカ、中国など5か所。

そして書いた手紙に返事が来たのはただ一つ、台湾台南市安平区、の小学校からでした。

その後安平町の子どもたちと安平区の子どもたちの文通などが行われ、安平の子供が実際に安平区の小学校を訪ねるまでになっていきました。

そうした交流の経緯もあり、2023年に安平町と安平区が友好交流協定を結んだことも、自然な流れ。

2024年夏には、安平町長も早速台南を訪問、2025年1月の子どもたちの学校交流の基礎を作ってこられました。

子どもの交流は、いいものです。

子どもの世界を広げるきっかけを作るのは大人、
その役割の大きさを感じます。

今月の交流内容は次回また、、!

             ◇     ◇     ◇

藤見尚子/在台17年目。

北海道出身。

1997年から仕事で台湾と関わり、これまで東京、台北、台中、札幌で日台交流の仕事に従事。

日本と台湾の絆、北海道と台湾の交流、台湾暮らしで得た気付きなどを綴ります/北海道観光マスター、北海道フードマイスター、旭川観光大使。

慶應義塾大学卒業。


※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。