展に入選した石膏坐像「蕃童」や、台湾農村の情緒あふれる風景を描いた遺作レリーフ「水
牛群像」などで知られる天才彫刻家・黄土水(こう・どすい)も妻を連れて訪れたことが
ある。2007年には「奥の細道」探訪で李登輝元総統も訪れている。
李元総統が日光を訪ねたとき、歓迎会を開いたのが日光東照宮の近くにある石造りの洋
館レストラン「明治の館」だ。この「明治の館」を経営するのが、日光日台親善協会の会
長で、本会理事もつとめる宇井肇(うい・はじめ)氏だ。
数年前から毎年、台湾人留学生を招待して焼肉パーティーなどを開いて親睦の交流を重
ねている。今年も「日光けっこうフェスティバル・日光秋の花火大会」が行われた10月8日
と翌9日、1泊2日で留学生を招待し、宇井氏は同会事務局長の宇井貴彦(うい・たかひこ)
氏や在日台湾同郷会の方々とともにお世話をしたという。下野新聞がそのことを報じてい
るのでご紹介したい。
なお、「明治の館」には、李元総統が2007年に訪れたときお手植えされた河津桜もある。
また「明治の館」は日本における蓄音機の父、アメリカの貿易商F.W.ホーンの別荘と
して建造された縁で、宇井氏は蓄音機を蒐集、ギャラリーを開いている。
ちなみに、本誌でも伝えたように、6月11日、日光市と2009年1月に「観光友好都市協定」
を結んだ台南市の頼清徳市長が300人もの大観光団を率いて日光市の鬼怒川温泉を訪れた。
これは、東日本大震災で外国人観光客が激減したため、斎藤文夫・日光市長が5月に台南市
に出向いて要請し、それに応えたもの。この日光市と台南市との交流を発案し「観光友好
都市」の協定締結まで尽力したのが宇井氏だ。
日光はいま紅葉の見頃。折しも日光東照宮秋季例大祭が16日と17日の2日間にわたって開
催され、16日には流鏑馬(やぶさめ)神事、17日には徳川家康の神霊を駿府久能山から日
光へ改葬した当時の行列を再現した「百物揃(ひゃくものぞろえ)千人武者行列」が行わ
れる。今年は台湾からの観光客も少なくないという。
◆明治の館
http://www.meiji-yakata.com/index.shtml
台湾留学生が秋の日光満喫 親善協会が交流
【下野新聞:2011年10月13日】
http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/north/nikko/news/20111013/634086
【日光】台湾から日本の大学などに留学している学生が8、9の両日、市内を訪れ、市民ら
と交流した。
市内の民間人を中心につくる日光日台親善協会(宇井肇会長)が、日光のPRや親睦を
深める目的で毎年開催している。
参加したのは、首都圏の大学や日本語学校に通う留学生や同郷会のメンバーなど29人。
初日は紅葉シーズンを迎えた奥日光や世界遺産の二社一寺を見学したほか、秋の花火大会
を楽しんだ。
その後の交流会では、学生が台湾出身のテレサ・テンさんの歌などを披露した。2日目
は足尾を見て回った。
筑波大修士課程の李秋宜さん(24)は「震災の影響で観光客が減っていると聞きました
が、すてきな場所なのでみなさんに来てもらいたいです」と流ちょうな日本語で話してい
た。