中国の日台離間策にはまらないよう日台は速やかに事態収拾を

報道によると、台湾の遊漁船と日本の巡視船の接触事故で、台湾外交部は14日、日本
が台湾側に提出した事故調査報告や船長の書類送検について「受け入れられない」とし
て、改めて謝罪と賠償を要求するとともに、台北駐日経済文化代表処の許世楷代表を召
還すると発表。また、対日関係強化のため外交部内に設置していた日本専門部署の「日
本事務会」の廃止も発表した。

 すでに台湾側は12日に外交部の欧鴻錬部長が池田維・交流協会台北事務所代表を外交
部に呼んで厳正な抗議を行い「最も厳正な立場」(夏立言・外交部次長)を表明し、13
日中の船長帰国がなければ許世楷代表の召還も辞さないとし、船長が帰国したにも拘ら
ず、さらに強硬な姿勢を示した。

 召還という強硬措置を取ることで世論を沈静化させ、外交部内にありながらも国家安
全会議の管轄を受けていたといわれる、民進党政権が設けた「日本事務会」を廃止する
ことによって、その影響力を殺いで対日関係の一本化を図ろうという思惑もあったよう
だ。

 だが、このような強行姿勢は逆に馬英九政権の基盤の脆弱さを示していると取られか
ねない上、ここで北叟笑んでいるのは日台離間策を謀って台湾併呑を目論む中国である
ことを思えば、台湾側にパフォーマンスが過ぎるとの感は否めない。

 ただ、巡視船船長の当初の証言が捜査結果と違ったために訂正するなど、台湾側の不
信感を買ったことで台湾側の強硬姿勢を招いたこともあり、日本としては、すでに許世
楷代表の尽力もあって13日夜には遊漁船船長を帰国させることで台湾側の要求の一部を
実現させたのだから、すみやかに真相を明らかにすることが求められていると言えよう。

 日台関係がこじれて喜ぶのは中国だけだ。中国に付けこませる隙を作らないために、
日台は早々に事態を沈静化させるべきだ。

                   (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原 正敬)


遊漁船衝突沈没事件、外交部は駐日代表召還へ
【6月14日 Radio Taiwan International】

 10日に釣魚台(日本名:尖閣諸島)付近の海域で、台湾の遊漁船(釣り船)「聯合号」
と日本の海上保安庁の巡視船とが衝突、「聯合号」が沈没した事件で、中華民国外交部
は14日、日本側の調査報告の内容は受け入れられないとして、許世楷・日本駐在代表を
召喚すると発表。許・駐日代表の日本側との交渉状況を把握すると共に、今後の指示を
出すためとしている。

 14日午後に記者会見を開いた欧鴻錬・外交部長によると、欧・外交部長は14日に日本
側の事故調査報告を受け取った。日本側は、海上保安庁の巡視船の船長は業務上過失に
よる往来危険罪と業務上過失による傷害罪の容疑と指摘する一方、「聯合号」の船長も
業務上過失の往来危険罪の容疑として那覇地検に書類送検した。

 これに対し、欧・外交部長は「断固受け入れられない。大型の巡視船を小型漁船に衝
突させるのは横暴すぎる」として、日本側がこれについてただちに謝罪し、「聯合号」
の船長が被った損失を賠償するよう要求した。

 「聯合号」を操縦していた船員は、当時「聯合号」はまっすぐ安全に航行しており、
日本の船が航行を阻む権利は無いと主張、「衛星測位システムの記録を見れば日本側が
故意にぶつけたのは明らかなはずだ」と述べるなど、日本側の報告内容に真っ向から反
論している。「聯合号」には船長、船員2人、釣り客13人が乗っており、一時は全員が
海に投げ出された。この船員は、「衝撃が強く、釣り客が少なくとも三人死んでいても
おかしくなかった」と話している。

 外交部では行政院海岸巡防署など関連の政府機関に中華民国側の調査報告をまとめる
よう要請、また、司法機関には日本の船舶が釣魚台付近で活動し、台湾の遊漁船を沈没
させた事件として協力を求めた。

 なお、欧・外交部長は、事件発生直後に海岸巡防署の巡洋艦が釣魚台付近の海域に入
らないよう指示した日本事務会の廃止を決定。日本事務会は民進党政権が設けた組織。
外交部内にありながらも国家安全会議の管轄を受け、運営は外交部から独立していたと
いう。



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