長(外務大臣に相当)は2日、進行中の非公式協議では本会談の出席メンバーについて合意
するなど「非常に具体的な進展があった」と成果を評価したと伝えている。
すでに「台湾の林永楽外交部長が台湾側漁民の操業範囲の拡大に『日本側が原則的に同
意した』と語った」(3月21日付「産経新聞」)と伝えていて、最大の問題となっている操
業範囲の拡大について日本側が同意したことで、正式協議に入るようだ。
ただ、馬英九総統自身は漁業交渉を進めるとしながらも、相変わらず「釣魚台列島は中
華民国固有の領土、台湾の付属島嶼であり、百年来わが漁民が操業している漁場であり、
抗日戦争に勝利した後に締結した『中日和約』(日華平和条約)により、中華民国に返還
された」(3月29日、東京華僑総会など在日華僑団体の帰国表敬団らとの会見)と強調する
など、歴史事実に反する発言を続けている。
このところ、馬氏自ら抜擢した行政院秘書長(官房長官に相当)や国民党の南投県長が
巨額の収賄で逮捕され、さらに今度は頼素如・国民党主席室主任といういわば身内の汚職
も発覚し、馬英九政権のクリーンなイメージは今や地に墜ちた感がある。
それでもパフォーマンス的発言が目立つ馬氏の能天気ぶりに、漁業交渉の最前線で苦労
している官僚は、このような馬氏の発言が中国に間違ったシグナルを送り、「中台共闘」
を誘惑しかねないのではないかと戸惑っている節が見える。
外交部:台日漁業交渉では漁船への干渉阻止が目標
【Radio Taiwan International:2013年4月2日】
外交部の林永楽・部長が、日本との漁業交渉の目標は、漁船の操業が干渉されないこと
だとしている。台湾と日本は、釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)付近の海域での漁業など
について話し合う、漁業交渉の正式な再開を目指しており、昨年からすでに二度の予備会
合が行われた。
林永楽・外交部長は2日、二度目の予備会合後に非公式な話し合いが行われたと明らかに
し、そこでは非常に具体的な成果があり、数日のうちに具体的に説明できるよう希望して
いると述べた。
林・外交部長は、日本との話し合いは予備会合、非公式な話し合い、そして、正式な漁
業交渉の三段階に分かれていると説明、正式な交渉を行うことではすでに合意済みで、現
在は非公式な話し合いの段階だと述べた。林・外交部長は、漁の季節にまもなく入ること
を踏まえ、漁船の操業が干渉されないようにすることが目標だとして、操業範囲の拡大を
具体的な方向にしていることを明らかにした。
林・外交部長は、外交部では緯度と経度を使った具体的な範囲で、かつ、双方ともに受
け入れられるものを希望しているとするとともに、台湾の漁業者の権益を守る部分ではわ
ずかたりとも譲らないとの立場を強調した。
なお、外交部東アジア太平洋司の蘇啓誠・副司長は2日、双方は3月13日に行った二度目
の予備会合から、できる限り早く、三度目の予備会合を開くことで合意しているが、非公
式な話し合いでハイレベルな共通認識に達した場合は、直接、正式な漁業交渉に入ること
も可能だと述べている。