および釣魚島を含む附属各島、澎湖列島、東沙群島、西沙群島、中沙群島、南沙群島および中華人
民共和国に所属する一切の島嶼を包含するものとする」(第2条)と規定し、台湾を自国の領土と
した。以来、中国は台湾や尖閣諸島、南シナ海などを「核心的利益」だとして、絶対に譲れない国
家利益だと主張している。
この一方的な中国の主張は、北京と台北を結ぶという最近の海底トンネル構想にもよく似ている
が、台湾の人々の81.6%が「受け入れられない」という調査結果が出た。
一方、戦後、台湾を占領した中華民国は、李登輝氏が総統に就いて領土範囲を規定し直すまで、
中国も中華民国の領土だと主張してきた。福建省も台湾省も凍結してはいるものの、憲法上はいま
も中国は中華民国の領土として扱われている。これに対しても、台湾の人々の60%が「受け入れら
れない」という調査結果だという。中央通信社の記事をご紹介したい。
別途、聯合報が発表した調査結果をご紹介するが、「自分は何人か」との問いに、「台湾人」と
答えた人が73%にものぼっているのだ。もはや台湾では、中国と台湾は別々の領土であり国民であ
るという意識が定着していると言ってよい。民進党政権になれば、さらにこの意識は高まるだろ
う。
「台湾と中国大陸は中華民国の領土」…台湾の人60%「受け入れられない」
【中央通信社:2016年3月15日】
世論調査会社の台湾指標民調が今月10〜11日に行った調査で、「台湾と中国大陸はどちらも中華
民国の領土だ」とする考え方について60%の台湾の人が「受け入れられない」と回答していたこと
が分かった。「台湾と中国大陸はどちらも中華人民共和国の領土だ」とする考え方も、81.6%が
「受け入れられない」とした。
台湾と中国大陸は1992年に「1つの中国」を前提とした対話の基礎「92年コンセンサス(九二共
識)」を確認しているが、台湾の市民はその多くが受け入れていない実態が明らかになった。
また、5月から政権を担う蔡英文次期総統は「中国大陸からの圧力がある中で92年コンセンサス
を受け入れるべきか」とする質問には33.4%が「受け入れるべき」、37.6%が「受け入れるべきで
はない」と答えた。
一方、国内の景気については83.7%が「悪い」と答えた。2月1日に就任した張善政行政院長(首
相)の満足度は49.8%で、2008年からの馬英九政権下で任命された行政院長では歴代トップとなっ
たほか、馬総統の就任以降の満足度も超えた。
調査は台湾に住む20歳以上を対象に実施。1000人から回答を得た。
(編集:齊藤啓介)
.