ブームで終わらなかった「台湾産パイナップル」 今年もご案内します!

今年も台湾産パイナップルの季節がめぐってまいりました。

すでにスーパーや八百屋では台湾産の金鑽パイナップルが出回っています。

皆さまからのご要望が多かったことから、本会も昨年からご案内しています。

果肉が柔らかくてみずみずしく、苦みやえぐみもなく、芯まで食べられると大好評でした。

今年も間もなくご案内の予定です。

それにしても、思い出されるのは、中国が台湾産のパイナップルから害虫が確認されたからという、取ってつけたような理由で台湾産パイナップルの輸入を禁止したことです。

3年前の2021年3月1日のことでした。

折しも、東日本大震災から10年という節目の年を迎え、震災が起こった3月11日を間近に控えていたころで、台湾への関心が高まっているさなかに起こった問題でした。

日本では、250億円を超える義捐金や多大な支援物資を送っていただいた台湾へ、いまこそ困っている台湾に台湾産パイナップルを買って恩返しするときだと思った日本人も多く、困っている台湾を応援したい、東日本大震災への恩返しのためにも台湾のパイナップルを食べようという一大ブームが起こりました。

安倍晋三総理がツイッター(現「X」)に、金鑽パイナップルを片手に掲げながら、笑顔で「今日のデザートはパイナップル。

とっても美味しそう」とツイートした写真をアップしていたことを思い出す人も多いかもしれません。

あの金鑽パイナップルは、実は安倍総理の大ファンだった金美齢さんがプレゼントしたものでした。

一時的なブームで終わると某東大教授は断言し、「台湾が可愛いから『あばたもえくぼ』に見え、コナカイガラムシも粉砂糖に見えるらしい」「日本は、害虫がついていたパイナップルを台湾側の宣伝に体よく踊らされて大量に買ったお人好しだった、ということになる」と言っていたことも思い出します。

しかし、日本では一時的なブームで終わることはなく、財務部(日本の財務省に相当)によると、中国が禁輸する前の2020年に日本向けは約2千トンだったにもかかわらず、2021年には1万7,803トン、2022年には約1万7,996トンと増え続け、日本は最大の輸出先になったそうです。

ただし、昨年(2023年)は1万5,579トンとやや減ったものの、1万トン以上が入ってきているのですから、もはや定着していると言っていいようです。

やはり台湾産パイナップルは、芯まで甘い(糖度が高い)、芯まで食べられるなど品質がよかったため、ブームでは終わらなかったようです。

ただ、昨年から「熟れすぎ」「芯が黒く変質している」などの問題点も指摘されはじめていますので、台湾の農業部(農林水産省に相当)も船便の輸送日数を短縮したり、最適な温度で輸送するなどの措置を取り、品質維持に努めているそうです。

下記に、農業部の陳駿季代理部長(=大臣代行)が日本の最大手青果総合流通グループのファーマインドが開いた台湾産パイナップルの試食販売会に参加した模様を伝える記事を紹介します。


台湾産パインの移動販売車が銀座に、日本の業者は仕入れ拡大を計画【Taiwan Today:2024年3月7日】https://jp.taiwantoday.tw/news.php?unit=150&post=249550&unitname=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9-%E7%B5%8C%E6%B8%88&postname=%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E7%94%A3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%A7%BB%E5%8B%95%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E8%BB%8A%E3%81%8C%E9%8A%80%E5%BA%A7%E3%81%AB%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%A5%AD%E8%80%85%E3%81%AF%E4%BB%95%E5%85%A5%E3%82%8C%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%82%92%E8%A8%88%E7%94%BB

 農業部(日本の農林水産省に相当)の陳駿季代理部長(=大臣代行)が6日、日本を訪れて青果の総合流通企業、株式会社ファーマインドが開いた台湾産パイナップルの試食販売会に参加した。

同社は台湾の「金鑽パイナップル」の品質を高く評価。

過去3年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで台湾産パイナップルを販売し、いずれも日本の消費者から前向きな反応を得たとして、今年は買い付けを拡大する予定であることを説明している。

銀座で行われたこのイベントではキッチンカー(移動販売車)でカットパインなどを試食販売した。

農業部によると、ファーマインドは日本で最も大きな青果総合流通グループの一つ。

主に青果物の輸出入と加工などを行っており、日本国内に14の加工物流センターを持つ。

年間売り上げは1,100億日本円を超える。

近年、同社は台湾の複数の集荷場と契約、高品質なパイナップルを仕入れて日本の主要流通ルートで販売し、大きな反響を呼んでいる。

農業部の陳代理部長は6日のイベントで、日本の流通業者と消費者が台湾の生産農家を支持してくれていることに感謝すると共に、日本は時間をかけて開拓するに足る価値を持つ成熟した市場だと評価。

また、輸入農産物に対する日本の高い要求については、コールドチェーンに必要な施設や設備の整備、安全な収穫と処理、最適な温度での輸送などを生産者団体にしっかり指導して、サプライチェーンの構造を改善すると約束した。

陳代理部長は、そうすることで海外に商品が到着した際の品質をさらに高め、日本及びその他海外の流通業者と消費者に最も安心でき、高品質な台湾産農産物を送り届けると話した。

昨年、日本に輸出された台湾産農産物は金額ベースで223.5億台湾元(約1,035億日本円)にのぼり、農産物全体の輸出相手として日本は2位。

また、農産物のうち果物は数量ベースで約3万5,000トン。

日本に輸出されたのは1万8,000トンで全体の52%を占めた。

果物に関しては日本は台湾にとって最大の輸出先となっている。

さらに台湾は近年、パイナップルの日本向け販売に力を入れており、輸出額は2016年の5,157万台湾元(約2億3,900万日本円)から昨年には12倍近くの6億台湾元(約28億日本円)へと急増。

農業部は、「台湾産農産物の品質が日本の消費者に認められた証しだ」としている。


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