バイデン政権がトランプ政権を上回る台湾に12回目の武器供与を発表

米国のバイデン政権は12月15日、台湾に対し、戦域情報を管理するための通信設備の予備部品の売却や関連する技術支援を行うため、指揮・統制・通信・コンピューター(C4)ライフサイクル支援と関連の装備品など総額3億ドル(約426億)の軍事物資の供与を国務省が承認して議会に通知したと米国防安全保障協力局が発表した。

バイデン政権の台湾への武器や関連装備品などの軍事供与は本年に入って4度目で、政権発足後の2021年8月4日に155ミリ自走榴弾砲40輌や弾薬補給車20輌を供与したことに始まる武器供与は12回目となった。トランプ政権の台湾への武器供与は11回だったから、それを上回った。

バイデン政権は、1月13日に控えた総統・立法委員選挙を前に、台湾に対して安全保障上の関与を続ける姿勢を示すことで中国を抑止しようという狙いがあると思われる。

また、台湾が中国に対して実施している輸入制限措置について、中国政府が「貿易障壁」に該当すると認定した調査結果を公表し、与党の民進党政権が対中貿易をゆがめていると印象づけようと政治的なゆさぶりをかけていることから、米国は台湾への安全保障上の関与を続ける姿勢を示すことで、与党・民進党への援護姿勢を示すことも意図しているのではないかと思われる。

 ちなみに、バイデン政権の台湾への武器供与は下記の12回となっている。

・1回目:2021年8月4日 155ミリ自走榴弾砲40輌や弾薬補給車20輌、先進野戦砲兵戦術情報システム1組などなどの供与を国務省が承認し て議会に通知したと国防総省が発表。・2回目:2022年2月7日 5年間にわたるミサイル防衛システムの維持、保全、改良を目的とした計画のための軍事関連装置とサービスを 供与することを国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・3回目:2022年4月5日 地対空ミサイル「パトリオット」に関する訓練や保守などの技術支援や関連装備の供与を国務省が承認して議会 に通知したと国防総省が発表。・4回目:2022年6月8日 中国軍の航空機や船舶による台湾周辺の海域や空域での活動が活発化していることから、軍艦を適切な状態に維 持するのに役立つ艦艇用の部品や関連装備など1億2000万米ドル(約160億6600万円)の供与を国務省が承認して 議会に通知したと国防総省が発表。・5回目:2022年7月15日 戦車や戦闘車両を補修するための整備に関する技術支援と関連装備として、総額1億800万米ドル(約150億円)規 模の供与を国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・6回目:2022年9月2日 ミサイル早期警戒レーダーシステム、地上配備型対艦ミサイル「ハープーン」、空対空ミサイル「サイドワインダ ー」など総額11億ドル(約1530億円)規模の供与を国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・7回目:2022年12月6日 F16戦闘機を含む米国の技術を使用した軍用機やシステム向けの部品4億2800万ドル(約585億円)相当の供与を国 務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・8回目:2022年12月28日 対戦車地雷散布装置「ボルケーノ」や重高機動戦術トラック「M977A4 HEMTT」など1億8000万ドル(約240億円)相 当の供与を国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・9回目:2023年3月1日 F16戦闘機用の対レーダーミサイル「ハーム(HARM)」100発や空対空ミサイル「アムラーム(AMRAAM)」200発、発 射装置や訓練用の模擬ミサイルなど6億1900万ドル(約840億円)相当の供与を国務省が承認して議会に通知したと 国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・10回目:2023年6月29日 焼夷曳光榴弾や多目的弾、訓練用弾の各種30ミリ弾とその関連装備、車両や武器、その他関連部材用の予備・修理 用部品など総額4億4020万ドル(日本円約637億円)相当の供与を国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発 表。・11回目:2023年8月23日 遠距離の目標に対する偵察と追跡の能力を高めるF16V戦闘機搭載「赤外線捜索追尾 システム」(IRST)を5億米 ドル(約730億円)で供与する案件を国務省が承認して議会に通知したと国防総省が発表。・12回目:2023年12月15日 戦域情報を管理するための通信設備の予備部品の売却や関連する技術支援を行うため、指揮・統制・通信・コンピ ューター(C4)ライフサイクル支援と関連の装備品など総額3億ドル(約426億)の軍事物資の供与を国務省が承認 して議会に通知したと米国防安全保障協力局が発表。

—————————————————————————————–米国、台湾への武器売却を承認 統合指揮システム関連 国防部「心から感謝」【中央通信社:2023年12月17日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202312160003

(台北、ワシントン中央社)米政府は15日、指揮・統制・通信・コンピューター(C4)ライフサイクル支援と関連の装備を台湾に売却することを承認したと発表した。総額3億米ドル(約430億円)と見積もる。国防部(国防省)は16日、今回の武器売却は国軍の統合指揮管制システムの効能維持に資するものだとし、「心からの感謝」を表明した。

米政府が台湾への武器売却を承認するのはバイデン政権下で12度目。米国防安全保障協力局(DSCA)は15日の声明で、売却の承認について同日、議会に通知したと発表した。また武器売却について、既存のC4能力の運用準備と維持を強化し、戦場の情報共有に欠かせない共通作戦状況図(COP)の開発に必要な戦術情報の安全な流れを提供する能力を維持することで現在と未来の脅威に対応する能力を向上させるものだと説明。地域における基本的な軍事バランスは変更されないとした。

国防部は米国の武器売却について、COPの把握に役立つとし、防衛作戦任務を有効的に遂行する上で戦場での状況認識の向上につながると説明した。

外交部(外務省)は16日、「大きな歓迎」を表明。米政府が台湾との関係の在り方を定めた米国内法「台湾関係法」と台湾に対する「6つの保証」に基づいて台湾への安全に対する約束を徹底し続けていることに感謝を示した。

(游凱翔、江今葉/編集:名切千絵)

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