■タカラトミーは9割を中国で生産
学研地球儀問題は、昨日午後、学研トイズと親会社の学研販売中止を発表し終止符を
打ったが、産経新聞によれば、なんと金額ベースで9割を中国で生産していた玩具大手の
タカラトミーも「台湾を『台湾島』と表記していたとして、地球儀の販売中止を決めた」
という。
中国製玩具については昨年の夏以降、基準値を超える鉛を含む塗料が使われていたと
して、米玩具大手が相次いで製品を自主回収する騒ぎに発展したことは未だ耳目に新し
い。それでタカラトミーもベトナムやタイにシフトするということだったが、この地球
儀は中国で作っていたようだ。
学研には10日までに「何でこんなことをしたのか」「返品したい」など約100件の苦情
が寄せられたというが、タカラトミーはこれに恐れをなして早々に販売中止を決めたよ
うだ。
いずれにしても、昨日のメルマガでも指摘したことだが、国境線は台湾の東側(太平
洋側)に引いてあり、沖縄に近い国境線は尖閣諸島や沖縄を完全に中国領としている。
台湾や南樺太・千島列島の件はもちろんだが、日本の領土である尖閣諸島や沖縄をも中
国領土にしている地球儀を、日本で販売するとは正気の沙汰ではない。
■地図帳も外務省のホームページも台湾は中国領土と記載!
実は、日本の中学生が使用している地図帳も台湾の東側に国境線が引いてあり、台湾
を中国領と記している。尖閣諸島までは含めていないが、学研トイズやタカラトミーと
似たり寄ったりなのである。
これまで本会は2005年7月以降、何度もこの問題を指摘し、日本政府へも笠浩文衆院議
員が「質問主意書」で問い合わせ、小泉首相からの「答弁書」も出ている。本会の田久
保忠衛副会長も産経新聞の「正論」覧で指摘している。だが、政府の答えは「文部科学
省の検定に問題はない」の一点張りだ。
この経緯については、本会ホームページに詳しく記している(フロント画面の「活動」
→「本会の提言」→「地図帳・教科書」)学研のインチキ地球儀が問題だとすれば、こ
の地図帳も問題なのである。
また、外務省のホームページ「各国・地域情勢」では、以前のように「中国」をクリ
ックすると「台湾」も同時に同じ色になることはない。だが、中国をクリックして出て
くる地図では、やはり台湾は同じ色になるのである。
確かに台湾は「北朝鮮」「香港」「マカオ」と同じように「地域情勢」に区別されて
いるものの、中国をクリックして出てくる地図では台湾は同じ色とされている。画面で
は分かりにくいかもしれないが、その地図を印刷してみれば、台湾は中国と同じ黄土色
に塗りつぶされているのである。
これが、日本の実態なのだ。学研トイズやタカラトミーよりタチが悪いと言ってよい
だろう。
学研地球儀問題が持ち上がったとき、「文部科学省や外務省は『市販の学習教材とは
いえ、前代未聞』と驚きを隠さない」と伝えられたが、実は文部科学省が検定をパスさ
せた地図帳や外務省のホームページは、台湾を中国領土と記載して、平然とこういうウ
ソをついていたのである。
地図帳で学ぶのは中学生なのだ。被害を受けるのは日本の子供たちなのである。日本
の将来を担う子供たちに「台湾は中華人民共和国」という間違った認識を与え続けるの
である。ましてや、外務省のホームページはまさに日本の国益を損ねる措置だ。
改善すべきは、検定済みの地図帳であり外務省のホームページなのである。
改めて問題を共有するため、3年前の11月27日付の産経新聞「正論」覧に掲載された田
久保忠衛・本会副会長の論考を下記に再掲してご参考までに供したい。
(メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬)
弊社商品『トーキンググローブ』に関するお知らせ
平素は、タカラトミー商品をご愛用いただきまして、誠にありがとうございます。
さて、弊社商品『トーキンググローブ』に、一部配慮に欠ける表記がございました。
皆様にはご迷惑おかけいたしましたことをお詫び申し上げます。 今後の商品化には十分
に留意し、再発防止に努めてまいります。
尚、当商品につきましては販売を中止することとし、また当商品をお持ちで返却を希
望されるお客様におかれましては、税込価格13,440円でお引取りさせていただくことと
いたします。お引取り手続きは1月15日(火)から開始いたします。
具体的なお手続きにつきましては、改めて弊社ホームページにてお知らせいたします。
平成20年1月10日
株式会社タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/support/owabi/talking_globe.html
「台湾島」地球儀 学研に苦情多数 タカラトミーも販売中止に
【1月12日、MSN産経ニュース】
学習教材大手「学研」(東京都大田区)グループが、中国政府から圧力を受け、国内
向けの地球儀「スマートグローブ」の台湾を「台湾島」と表記していた問題で、同社が
「不適切な表現・表記があった」として販売を中止していたことが分かった。また、玩
具大手の「タカラトミー」(東京都葛飾区)も、台湾を「台湾島」と表記していたとし
て、地球儀の販売中止を決めた。
学研によると、10日までに「何でこんなことをしたのか」「返品したい」など約100件
の苦情が寄せられたという。同社は「皆さまに多大なご迷惑をおかけしました。ご指摘
はよく理解しています。釈明の余地はありません」と謝罪。今後はグループが製造する
商品のチェックを徹底するとしている。
スマートグローブは、学研の子会社「学研トイズ」が製作・販売。各国の地理や文化
などの情報を音声で案内するシステムが組み込まれている。製造した1万個は完売して
いるが、希望者には定価(2万8000円)で返品に応じる。
問題の地球儀は、台湾(中華民国)を「台湾島」と表記。さらに、日本の地理の教科
書では帰属先が未定として白表記になっている樺太の南半分や北方領土以北の千島列島
を、ロシア領として色分けしている。
学研トイズは「(スマートグローブを)中国の工場で生産しているため、中国政府の
指示に従わざるを得なかった」と釈明していた。
返却は15日から、学研トイズお客様相談室((電)03・3726・8324)で
受け付ける。
一方、タカラトミーも、高機能地球儀「トーキンググローブ」(1万3440円)で
台湾を「台湾島」と表記していたことから、販売を中止することを決めた。
同社広報課によると、この商品は昨年10月に発売。国を選ぶと、音声でその国の特
色をガイドする機能がある。国内向けで、これまでに4624個を出荷した。
台湾島と表記した経緯について同社は「確認中」としている。製品は中国企業が生産
したという。
同社はホームページ上に謝罪文を掲載。定価で返品に応じるという。