ミニカ共和国大使の馮寄台氏(62歳 ひょう・きたい)の起用を決定したと一斉に報じ
た。台湾外交部(外務省に相当)から発表があった。
馮氏は外省系(中国・南京に戸籍を持つ)で、米ハーバード大学で公共行政修士を取
得後、1973年から外交部に勤務。専門はイスパニア語だが、英語も堪能。米国大使館や
儀典長を経て2003年4月から駐ドミニカ大使を務めた。
また、今春の総統選挙においては、国民党・馬陣営の国際部主任(外交顧問)を務め、
昨年11月の馬氏訪日や、今月の馬総統の中南米歴訪(8月12日〜19日)にも同行するなど、
側近中の側近といわれる。
主な著書に『一次★☆兩個總統』(九歌出版)、『他比總統先到』(聯經出版)など
がある(★→手編に高、☆→王の下にム)。
また、外交官として対日関係に従事したことはないものの、父親も外交官だった関係
で、小中学生の5年間を日本で暮らした経験があり、日常会話程度の日本語ならこなせ
るという。ただ、日本とのパイプはほとんどないのが実状のようだ。その証拠に、日本
の検索サイトで馮寄台氏の名前を検索してもほとんどヒットしない。
日本滞在30数年、幅広い人脈を持っていた許世楷・前駐日代表の後任探しは難航を極
め、7月10日の許代表離から1ヶ月以上空席のままだった。中国時報をはじめとする台湾
メディアは先月、総統諮問機関の国家安全会議メンバーで台湾大学政治系教授の楊永明
氏に内定したと伝えたが、本人の承諾を得られなかったという情報もある。メディアは、
馬総統の意向と、政権母体の与党である中国国民党内部の思惑に乖離があると分析して
いる。
外交部は、馮氏の起用には日本側も同意しており、人事の手続きを終えた後、正式に
発布するとしている。 (編集部)
*この「速報」は本会HPに、馮寄台氏の顔写真とともに掲載しています。
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