1月31日、鹿児島県伊佐(いさ)市と台湾の花蓮市が「友好交流協定」を締結しました。調印式は花蓮市公所において行われ、橋本欣也(はしもと・きんや)市長と、魏嘉彦市長が臨んだそうです。
この都市間提携は、本誌の2022年 5月14日号でお伝えしたように、2021年4月、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が鹿児島県を訪問した際に伊佐市を訪れ、橋下市長が曽木発電所遺構や曽木の滝公園を案内したことに端を発していました。
その後、橋本市長がその年の12月に台北駐福岡弁事処に陳銘俊処長を表敬訪問し、翌年1月下旬には陳処長が夫人と渉外課長を伴って伊佐市を訪問して交流を深めていきました。
橋本市長は2月1日(2022年)の「市長の部屋」で、謝長廷代表や陳銘俊処長について「常に一貫した丁重な対応で信頼できる方々」と書き留め、また「今後は台湾の都市との姉妹都市盟約や特産品等の経済交流、小中学生をはじめとする人的交流を進めていくことで意見が一致しました。今後の展開がとても楽しみです」と、陳処長への信頼感と台湾への関心が深まっていく様子をつづっていました。
花蓮市は陳銘俊処長の生まれ故郷でもあり、当時、花蓮市は沖縄県与那国町や宮崎県高千穂町、岩手県盛岡市と都市間提携を結んでいる実績もあったことから、陳処長は花蓮市との交流を勧め、2022年5月には伊佐市と花蓮市がオンライン形式で交流を図り、2023年12月には花蓮市側が伊佐市を訪問して交流を深めていました。その交流が実を結び、今回の「友好交流協定」締結に至ったようです。
今年はすでに1月22日に鹿児島県と屏東県が「交流促進に関する基本合意書(MOU)」を結んでいますので、2件目の日台都市間提携となります。これまで1月に2件以上の都市間提携が結ばれた年は年間提携数が伸びる傾向にあり、2016年、2017年、2023年が1月に2件あり、2016年は16件、2017年は22件、昨年は19件も提携しています。やはり、スタートダッシュが効いていると年間提携数は増えるようです。
2月には、熊本県小国(おぐに)町と台北市士林区が「友好都市協定」をび、大阪府岸和田市と嘉義市の提携もあると仄聞しています。今年ももまた日台の都市間提携は多くなりそうで楽しみです。
これで1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは133件(本会調査)となります。
心から祝意を表し、下記に「中央通信社」の記事をご紹介します。
◆鹿児島県伊佐市ホームページ https://www.city.isa.kagoshima.jp/◆花蓮市ホームページ http://www.hualien.gov.tw/home.php
—————————————————————————————–鹿児島県伊佐市、花蓮市と友好協定締結 観光や文化での交流深化へ【中央通信社:2024年1月31日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202401310003
(花蓮中央社)鹿児島県伊佐市と東部・花蓮市は31日、友好交流協定を締結した。橋本欣也伊佐市長が同日、花蓮市公所(役所)を訪れ、魏嘉彦花蓮市長と協定書に署名した。今後は観光や文化の分野で交流を深化させる。
魏市長によれば、2022年に台北駐福岡経済文化弁事処(総領事館に相当)の陳銘俊処長から、伊佐市に台湾の地方都市との交流を強化する意向があるとの書簡を受け取り、同市とオンライン会議などでやりとりを重ねていた。昨年12月には花蓮市の訪問団が伊佐市を訪問した。
魏市長は、両市は自然景観や文化的特色において多くの共通点があるとし、各分野での連携を強化できるよう願った。
橋本市長は、当初は昨年8月に花蓮市への訪問を予定していたものの、台風の影響で現在まで延期されていたと言及。花蓮に着いてすぐに優美な風景と人々の親切さに魅了されたと話し、今後両市の往来や交流がさらに頻繁になるよう期待を寄せた。
伊佐市の訪問団は30日から3日間の日程で訪台。調印式後には花蓮県内の観光名所、太魯閣(タロコ)国家公園を訪れた。
(張祈/編集:名切千絵)
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