4月7日、茨城県土浦市と台南市が「友好交流協定」を締結しました。締結式は午後4時からオンラインで行われ、安藤真理子・土浦市長と黄偉哲・台南市長が臨み、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表や日本台湾交流協会高雄事務所の古田清史・副所長らが立ち会ったそうです。
土浦市はこれまで海外との都市間提携はドイツのフリードリッヒスハーフェン市と友好都市、アメリカのパロアルト市と姉妹都市を結んできているそうで、台南市は3番目で、アジア地域では初めてだそうです。
安藤市長は4月3日の記者会見で「城下町としての長い歴史がある本市とは、『自転車』を活用したまちづくりをはじめ、『れんこん』や『花火』など、台南市との共通点が数多くございます。 今回の友好交流協定の締結を出発点として、各方面との連携を図りながら、様々な分野での交流を進めてまいりたい」と抱負を述べています。
本誌でお伝えしたように、今年の2月7日、茨城県の「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は旧草嶺トンネルが有名な新北市貢寮にある「旧草嶺環状線自転車道」と、相互のサイクルツーリズムを推進していくことを目的に、茨城県と旧草嶺環状線自転車道の振興団体の大東北角観光圏が「観光友好交流協定」を締結しましたが、この「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、JR岩瀬駅(水戸線)からJR土浦駅(常磐線)および霞ヶ浦湖岸を一周する全長約180kmのサイクリングコース。
土浦市は「自転車のまち つちうら」として、つくば霞ヶ浦りんりんロードをはじめとしたサイクリング環境を活用しながら、自転車のまちづくりを進めているそうで、台南市も自転車を活用した町づくりを進めていることもあり、今回の「友好交流協定」締結に至ったそうです。
3月31日の北海道厚沢部町(あっさぶちょう)と花蓮県寿豊郷の「友好交流協定」に続く都市間提携で、これで日台間の都市間提携は今年に入って5件、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」以来、118件となります。
ただし、土浦市と台南市の「友好交流協定」締結の経緯などを調査中、実は公明党土浦市議団が令和2年(2020年)2月に鹿児島県霧島市、宮崎県小林市、西都(さいと)市を対象に行った行政視察の報告書を見ますと、西都市の項でグリーンツーリズム(農山漁村において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動)ついての報告の中に「台湾教育旅行受入実績:西都市童子丸在住 台湾北東部 羅東鎮出身の黒木萌々華さんの尽力により 2013 年度に初めて1 校 39 人の教育旅行の受け入れが実現。その後友好親善宣言などを経て 2020 年 7 月姉妹都市となった」との記述がありました。
訪問したのは2020年2月なのに、なぜ7月の記述が出てくるのだろうと疑問に思いつつ、西都市のホームページで確認すると、確かに西都市は宜蘭県羅東鎮と「姉妹都市盟約」を結んでいました。ただし、2020年ではなく2018年7月30日のことでした。
そうしますと、土浦市と台南市の「友好交流協定」は119件目となります。心より祝意を表し、下記に中央通信社の記事を紹介します。
なお、西都市と宜蘭県羅東鎮の「姉妹都市盟約」については別途ご紹介します。
—————————————————————————————–台湾・台南市、土浦市と友好協定締結 文化やスポーツなどで交流へ【中央通信社:2023年4月8日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202304080007
(台南中央社)南部・台南市政府は7日、茨城県土浦市と友好交流協定を締結したと発表した。黄偉哲(こういてつ)台南市長は、今後文化や芸術、スポーツ、観光などの分野で相互交流すると意欲を示した。
台南市によると、締結式はリモートで行われ、台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表(大使に相当)や日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会高雄事務所の古田清史副所長らが調印を見届けたという。
黄氏は、パイナップルやマンゴー、枝豆、ラン、サバヒーなどの台南の農水産品をアピール。安藤真理子土浦市長は、台南とは多くの共通点があるとし、協定の締結による両市のさらなる発展に期待を寄せた。
(張栄祥/編集:齊藤啓介)
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