は「日台民間相互承認取決め」(相互承認に関する協力のための公益財団法人交流協会と
亜東関係協会との間の取決め)を交わし、昨日(7月1日)、この取決めが無事に発効した。
日本は台湾と2005年より電気製品検査とテストに関する「相互承認取決め」(MRA:
Mutual Recognition Agreement)」MRA)について交渉を続けてきた。この取決めは、
電気製品に関して、日台のメーカーは自国内・域内の評価機関の検査を経て適合証明書を
取得すれば、そのまま「PSEマーク」など安全マークをつけて相手側に製品を輸出でき
るというもの。
この相互承認は自由貿易協定(FTA)の一部といわれ、一昨年9月の「投資協定」締結
以来の画期をなすという重要な取決めだった。台湾の中央通信社が「経済部では、取り決
めは検査コスト抑制に寄与するもので、台日の経済関係が新しい時代に入ったと歓迎して
いる」と伝えているので下記に紹介したい。
ここで注目したいのは、昨年11月の調印の際、立ち会ったのが経済産業省の上田隆之・
通商政策局長だったことだ。現役の経産省局長が訪台していた。
これまで、外務省の内規では日本政府は中国への配慮から訪台を規制し、官庁は課長ま
でしか認めていないとされてきた。
例えば2006年8月、中川昭一・農水大臣の意を受け宮腰光寛・農水副大臣が日台漁業交渉
のために訪台し、陳水扁総統らと会談した。だが、メディアに洩れるところとなって「あ
くまでも私人としての訪問」と弁明せざるを得ず、交渉が頓挫するという由々しき結果に
なったことがあった。
しかし、東日本大震災以降、2011年5月には衛藤征士郎・衆院副議長が訪台し、8月には
溝畑宏・観光庁長官も訪台している。そして、昨年11月には現役の経産省局長も訪台した
のだった。それに対して、中国はなにもクレームをつけていない。
日本は確実に変わり始めている。まだまだ中国の様子をうかがいながらという感は免れ
ないが、こういう細部に変化は顕れる。
台日「電気製品相互承認取り決め」、きょう発効
【中央通信社:2013年7月1日】
(台北 1日 中央社)台湾と日本が電気製品の適合性評価を相互承認するための「台日民
間相互承認取り決め」(MRA)がきょう1日発効した。経済部では、取り決めは検査コスト
抑制に寄与するもので、台日の経済関係が新しい時代に入ったと歓迎している。
この取り決めは7年間にわたる交渉を経て、昨年11月末に台北市内で開催された第37回台
日経済貿易会議で台日双方の窓口、亜東関係協会と交流協会の代表によって調印された。
取り決めの発効で、それぞれの電気用品安全法の適用商品(台湾281項目、日本457項
目)輸出にかかる相手方の認証取得時間が大幅に短縮される。
今回発効した取り決めによってカバーされる製品の台日輸出入総額は年間600億台湾元
(約2000億円)以上にものぼり、今後のさらなる拡大に期待がかかる。
台湾ではこのほか、カナダ、アメリカ、オーストラリアと電磁的互換性測定の相互承認
を、ニュージーランド、シンガポールとは電子・電気製品についての相互承認を実施して
いる。
(編集:谷口一康、高野華恵)