【祝】 熊本県益城町と台中市大甲区が「友好交流協定」を締結

 台湾は旧暦でお正月を祝いますので、1月22日の春節を前に20日から春節休暇が始まっています。今年の春節休暇は、21日の大晦日(除夕)と大晦日前日の小年夜や27日を振替休日にしたため、1月20日から29日までの大型連休になっています。

 このおめでたい春節を前にした1月9日、熊本県益城町(ましきまち)と台中市大甲区が「友好交流協定」を締結しました。日本では今年に入って初めての日台都市間提携です。

 台湾ではいまでも「大甲の聖人」として慕われている教育者の志賀哲太郎(しが・てつたろう)が益城町出身だったことから、熊本県の有志が志賀哲太郎生誕150年を翌年に控えた2015年9月に「志賀哲太郎顕彰会」(宮本睦士会長)を設立し、台中市大甲区に建立されているお墓の参拝などを通じて大甲区と交流を重ねてきていました。

 志賀哲太郎顕彰会はその後も、郷土の偉人として志賀哲太郎を顕彰する講演会や研修会などを開催し、2021年11月には安倍晋三・前総理の揮毫による志賀哲太郎顕彰碑を生誕の地に建立しています。この建立には李登輝元総統も本会関係者も協力しています。

 このような顕彰会の動きに益城町も徐々に協力するようになり、2022年4月には益城町主催による「志賀哲太郎パネル展」が開かれ、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表や陳銘俊・台北駐福岡弁事処長なども訪れました。

 このような8年といういささか長い経緯を経て、今回の益城町と大甲区の「友好交流協定」締結に至っています。

 調印式は大甲区で行われ、西村博則(にしむら・ひろのり)町長らが訪問し、大甲区役所(公所)にて顔金源・区長と調印式を行ったそうです。式典には、益城町から酒井博範・教育長や宮本睦士・志賀鉄太郎顕彰会長、大甲区からは台中市議会議員や学校関係者、農業関係者など、また、台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊処長がオンラインで立ち会ったとのことです。

 今回の「友好交流協定」締結は、昨年11月2日の大分県玖珠町と台湾の彰化市の「友好交流協定」、同日の長崎県東彼杵町と台中市和平区の「友好関係を促進する意向書」締結以来で、日台間の都市間提携は1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」提携から113件目(本会調査)となります。

 心から祝意を表し、最初に今回の都市間提携を伝えた台北駐福岡弁事処のレポートと、このレポートを基に記事にしたと思われる「台湾新聞」を下記にご紹介します。

 残念ながら、益城町も大甲区公所も友好交流協定」締結についてホームページに掲載しておらず、メディアの報道もまだないようです。

◆台北駐福岡弁事処:台中市大甲區與日本熊本縣益城町簽友好交流協定[1月10日] https://www.roc-taiwan.org/jpfuk/post/17210.html

—————————————————————————————–熊本県益城町が台中市大甲区と友好交流協定を締結 【台湾新聞:2023年1月16日】 https://taiwannews.jp/2023/01/%e7%86%8a%e6%9c%ac%e7%9c%8c%e7%9b%8a%e5%9f%8e%e7%94%ba%e3%81%8c%e5%8f%b0%e4%b8%ad%e5%b8%82%e5%a4%a7%e7%94%b2%e5%8c%ba%e3%81%a8%e5%8f%8b%e5%a5%bd%e4%ba%a4%e6%b5%81%e5%8d%94%e5%ae%9a%e3%82%92%e7%b7%a0/

 熊本県益城町の西村博則町長が1月9日、台中市大甲区役所を訪れ、顔金源区長と友好交流協定を締結した。

 式典には益城町からは西村町長に加えて酒井博範教育長と志賀鉄太郎顕彰会の宮本睦士会長らが出席。大甲区は顔区長のほか、台中市議会議員、学校関係者、農業関係者らが出席した。

 オンライン画面を通じて締結式に立ち会った台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊処長(総領事)はスピーチの中で、大甲区と益城町が友好関係をスタートさせたことを祝うとともに、日台関係は切っても切れない家族のようなものであり、これまで両国が自然災害などの困難に遭遇したとき、いつも助けて合ってきたことに触れた。更に、この協定をきっかけに、今後両地域が様々な分野で協力と交流を生み出し、日台の強固な友好関係を築くことへの期待を示した。

 また益城町の西村町長は2015年の熊本地震で最も被害の大きかった益城町が台湾の各界から頂いた熊本復興の支援金なども含めた「好意」により7年にわたる再建を経て、今年3月に新庁舎が完成したことを報告し、駐福岡弁事処のバックアップに感謝の意を表した。

 これを受けて顔区長は「この提携は教育、観光、スポーツ、災害防止とそれへの対応の分野で更なる協力と発展につながるものと考える」と語り、特に2つの地域のどちらもが農業をベースにしていることから、スイカ、米、その他の農産物を栽培する経験を共有して、双方にメリットのある状況を生み出すことへの期待を述べた。

 また、熊本県益城町の出身で大甲の小学校教師を務めた志賀哲太郎氏が台湾の子供たちに示した献身的な貢献に、今なお大甲の多くの人々が感謝と尊敬の念を持っていることに触れ「今後、学校教育面でも両地区の交流がさらに深まることを願っている」と述べた。

 志賀鉄太郎は、熊本県上益城郡津守村(現在の益城町)に生まれ、明治32年(1899)大甲公立学校(現・大甲小学校)の代用教諭となり 26年間教師を務め、「愛情」を持って生徒の教育に当たった。彼が得た給料はその殆どを貧しい子供たちへの援助に充てるなどして、大甲の教育と文化に多大な貢献をした。そのため死後は「大甲の聖人」と呼ばれ、卒業生やその子孫の多くが墓参りを絶やさず、感謝の気持を持ち続けている。コロナ禍以前は熊本からも毎年墓参団が墓所を訪れていた。

 近年、大甲区は文昌寺に志賀記念館を設置し顕彰しているが、今回の締結式に先立って西村町長一行は、大甲区の関係者とともに志賀が務めた大甲小学校、志賀の墓所、大甲鎮瀾宮、大甲文昌宮、志賀鉄太郎記念館などを訪問し、益城町でも2020年12月に志賀哲太郎顕彰会が中心となって、安倍晋三元総理大臣が揮毫した顕彰碑を建立したことを報告した。

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