2月27日、熊本県阿蘇郡小国町(おぐにまち)と台北市士林区が「友好交流協力に関する覚書」を締結した。
小国町からは村上悦郎・教育長や熊谷博行・町議会議長など関係者19人が訪台し、調印式には渡邉誠次(わたなべ・せいじ)町長と士林区の洪進達・区長が臨んだ。
交流のきっかけは、1988年から民間団体「小国国際交流会」が士林区にある中国文化大の学生らをホームステイで受け入れたことだったそうで、「その後、台北駐福岡経済文化弁事処の仲介もあり、双方の行政機関が2023年からリモートで交流」を続けていたという。
本会理事で熊本県支部長の廣瀬勝氏は「小国国際交流会」事務局長もつとめている。
昨年3月15日、国際交流会が小国町の小国高校で「台湾小国郷経済文化交流セミナー」を開催した折は、台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊処長が「日台の絆と今後の展望」と題して講演し、「小国郷からつなぐ!〜熊本と台湾の架け橋」をテーマにしたパネルディスカッションでは白濱裕・元熊本県立大津高校校長、陳銘俊処長、渡邊誠次・小国町長、高橋周二・南小国町長、藤本浩明・熊本県立小国高校校長が登壇、台湾との交流への道筋をつけた。
平井数馬顕彰会会長で志賀哲太郎顕彰会でも中核を担う白濱裕氏は、本会熊本県支部副支部長でもあり、小国町からの依頼により、熊本県出身の平井数馬も非命に斃れた一人である、士林区の芝山巌にある六士先生関係資料などを提供し、廣瀬勝氏とともに今回の覚書締結に同行したそうだ。
ちなみに、渡邊誠次・小国町長は平井数馬が学んだ県立済々黌(せいせいこう)高等学校の卒業生で、日台共栄首長連盟にも加盟している。
折しも2月27日は、本誌でも報じたように、熊本市と高雄市が双方の将来の地場産業を牽引する企業を積極的に支援するため、「スタートアップ関連での交流促進覚書」を締結した日で、熊本県内の2つの自治体が同日に台湾の自治体と都市間提携を結ぶという珍しい事態となった。
小国町と士林区の覚書締結は今年で4件目となり、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは135件目(本会調査)となる。
下記に、士林區公所「新聞稿」と「Taiwan Today」誌の記事を紹介したい。
◆士林區公所「新聞稿」:2月27日 臺日友好 美事再添一●! 臺北市士林區與日本熊本縣小國町締結「友好交流合作備忘録」 (●=椿の春の中の日が臼) https://sldo.gov.taipei/News_Content.aspx?n=9F0C4DE5BC5FFEFD&sms=72544237BBE4C5F6&s=176D24DAC98C2665
台北市士林区と熊本県小国町が覚書調印【Taiwan Today:2024年2月29日】https://jp.taiwantoday.tw/pics.php?unit=7187&post=46566&fbclid=IwAR3ZUIB3jKj_nQzP_FTWKA_iISc_pXeo_xsmnj7BcJXpsaQ4GXTzrSPgf1Q
台北市士林区の洪進達区長と日本の熊本県阿蘇郡小国町の渡邉誠次町長は27日、文化、教育、経済等で交流や協力を深めることで一致し、友好交流協力に関する覚書に調印した。
双方の交流の始まりは1988年にさかのぼる。
民間団体の小国国際交流会と士林区にある私立中国文化大学との交流をきっかけに、その後も長く草の根レベルの交流を続けてきた。
その後、台北駐福岡経済文化弁事処の仲介もあり、双方の行政機関が2023年からリモートで交流を開始。
同年8月には小国町の渡邉町長が訪問団を率いて士林区を訪れ、このほどついに覚書調印が実現した。
小国町からは今回、町長や教育委員長、小国町役場の関係者、議会の正副議長、議員など合計19名が士林区を訪れており、覚書調印後は台北表演芸術中心(台北パフォーミングアーツセンター)や慈誠宮、陽明山などを参観し、文化や産業などの分野について士林区の関係者と意見交換を行った。
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