去る3月27日、東京都世田谷区と台湾・高雄市文化局は「文化交流に関する覚書」に調印しました。
高雄市で行われた調印式には、世田谷区から片桐誠・生活文化政策部長、高雄市からは王文翠文化局長が臨み、日本台湾交流協会高雄事務所の古田清史・副所長、高雄市愛楽文化芸術基金会の朱宏昌・執行長、高雄市運動発展局の藍偉仁・主任ら立ち会ったそうです。
世田谷区と高雄市文化局による「文化交流に関する覚書」は、新型コロナウイルスが流行する前の2019年1月9日に結ばれたのが最初で、今回は再調印となります。
世田谷区の資料によりますと、2017年5月より「在住外国人・来訪外国人の増加、東京2020オリピック・パラ リンピック競技大会をきっかけとした地域での国際交流への期待の高まりなどを踏まえ、国際 交流の方向性について検討を進めて」いたそうで、翌年2月13日に「これからの国際交流のあり方(案)及び新たな交流先候補実地調査結果と今後の取組みについて」をまとめ、この中で「『治安・衛生環境等の基礎的な条件』及び『子どもたちの豊かな経験につながる交流』、『区民の多様な交流の推進』の観点から、新たな交流先候補をフィンランド、台湾の2カ国に絞込み、(2017年)12月に両国への実地調査を行なった」と発表しています。
フィンランドと台湾の2カ国に絞り込むまでには、姉妹提携など都市間提携を結ぶ全国自治体の14事例を精査したそうで、また実地調査はフィンランドには3名を派遣してポルボー市、ビヒティ市、エスポー市、台湾には5名を派遣して高雄市と台南市を訪問したそうです。
その結果、高雄市が「同市教育局が推薦する鳳山小学校、青年國民中学校は姉妹校での相互交流を望んでおり、英語教育、音楽交流、ボーイスカウト、クラブ活動、スポーツ等、様々な分野で交流の可能性があり、これらを通じて国際社会を生き抜く人材育成を共に進めることが期待される」として文化交流先に選定したそうです。高雄市側にも交流の意思があることを確認し、2019年1月9日の「文化交流に関する覚書」の調印に至ったそうです。
その後、2019年7月28日、世田谷区から67名を派遣し、高雄市文化中心至徳堂において、「高雄市交響楽団附設青少年交響楽団」(中高生)と「せたがやジュニア・オーケストラ」による交流コンサートを実施しています。
中央通信社は「王氏は、過去2年間は新型コロナウイルスの影響で実質的な交流ができなかったとしながらも、友情と対話が途切れることはなかったと指摘。音楽から出発し、文化や美術、観光、スポーツなどの分野まで、さらに多元的で深い交流を都市にもたらすことを期待すると語った」と、都市間提携への期待感を示していると報じています。—————————————————————————————–高雄市と東京都世田谷区、文化・芸術・スポーツ交流【Taiwan Today:2023年3月28日】https://jp.taiwantoday.tw/pics.php?unit=7187&post=42948
台湾南部・高雄市文化局は27日、日本の東京都世田谷区と文化交流に関する覚書(MOU)を締結した。文化局の王文翠局長と世田谷区生活文化政策部の片桐誠部長が調印し、日本台湾交流協会高雄事務所の古田清史副所長、高雄市愛楽文化芸術基金会の朱宏昌執行長、高雄市運動発展局の藍偉仁主任らが証人として立ち会った。
双方は2019年にも覚書を締結し、世田谷青少年管弦楽団と高市青少年交響楽団による音楽会を実現させた。しかし、その後2年間にわたり新型コロナウイルスの感染拡大の影響で実質的な交流ができずにいた。今回新たに締結した覚書には、音楽だけでなく、文化、美術、観光、スポーツなどさまざまな分野でも交流を進めていくことが盛り込まれた。(高雄市文化局提供、中央社)
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