【祝】 埼玉りそな銀行と台湾の玉山銀行が業務提携

 これまで日台間の金融機関の提携は、台湾の中国信託ホールディングが静岡銀行や岩手銀行など日本の地方銀行や三井住友信託銀行などと業務提携に関する覚書を交わすことで進んできたように見受けられる。

 しかし、2015年12月18日に福岡銀行が台北駐在事務所を開設したころから変化がみられ、その翌年には秋田銀行が台湾事務所を開設(10月7日)し、2019年には鹿児島銀行が台北市信義区のオフィスビル交易広場に「台北駐在員事務所」を開設(3月8日)するようになって、銀行自身が台湾に自前の事務所を構える形に変わってきている。

 日台間で姉妹都市などの都市間提携や鉄道提携が数多く結ばれるようになったことと軌を一にしている。

 また、近年は中国信託ホールディングだけではなく、玉山銀行や兆豊国際商業銀行などとの業務提携も行われるようになってきている。

 2020年には、りそな銀行と玉山銀行が金融機能の提供等を目的とした業務協力の覚書を締結(4月28日)、それに続いて、1月18日に埼玉りそな銀行と玉山銀行が同じく金融機能の提供を目的とした業務提携を結んだという。

 りそな銀行によれば、この業務提携は埼玉りそな銀行ばかりでなく、関西みらい銀行、みなと銀行の3行と同時に締結したという。心から祝意を表し、下記に日本経済新聞の記事をご紹介したい。

 日台間ではいろいろな分野で提携関係が深まっており、銀行同士ばかりでなく、例えば、みずほ銀行と三三企業交流会の業務提携(2018年11月5日)、みずほ銀行と台湾貿易センターの「日台企業の連携に関する覚書」締結(2019年5月9日)、みずほ銀行と台湾の政府機関「台湾科学技術部南部科学工業園区管理局」と豪覓管理顧問股[イ分]有限公司の3者間の「台湾のスタートアップ企業への成長支援にかかわる覚書」締結(2020年5月28日)など、台湾との歴史が古い旧第一勧銀のみずほ銀行が先行して開拓しているようだ。

◆埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行:玉山銀行との業務提携について[1月18日] https://www.kansaimiraibank.co.jp/about/newsrelease/detail/20220118_2385.html

—————————————————————————————–埼玉りそな銀行、台湾の玉山銀と提携 現地進出など支援【日本経済新聞:2022年1月19日】

 埼玉りそな銀行と台湾の玉山銀行は18日付で金融機能の提供を目的とした業務提携を結んだ。台湾市場への進出を目指す顧客に対し、口座開設や玉山銀行による融資、現地企業とのビジネスマッチングなどを支援する。

 玉山銀行は台湾での中小企業向け融資でトップシェアの民間金融機関で、2017年には東京支店を開設した。

 りそなグループでは、りそな銀行が同行と20年に業務提携契約を締結しており、グループ全体の顧客に対して台湾進出の支援を手掛けていた。埼玉りそな銀が直接手を組むことで、より迅速な対応を可能とする。

 埼玉りそな銀が海外の金融機関と提携するのは13行目。グループ全体では14カ国・地域で22行と提携して顧客の海外展開を支えている。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。