【祝】 台湾企業家の辜仲瑩氏が日本政府にマスク100万枚を寄贈

 台湾は5月27日も6日連続で武漢肺炎の新規感染者はゼロで「海外渡航歴がない人に限ると45日連続」だそうです。

 武漢肺炎の封じ込めに成功している台湾からは、日本にマスクや医療用フェイスシールド(飛沫などを防ぐ防護面)、防護服などが次々と寄贈されています。

 このほど中華開発工業銀行の董事長や中華開発金控の総経理、慈善団体「凱基社会福利慈善基金会」董事長をつとめるアンジェロ・クーこと辜仲瑩(こ・ちゅうえい)氏から日本政府に100万枚ものマスクが寄贈されました。

 4月21日に台湾の台湾日本関係協会(邱義仁会長)から日本台湾交流協会(大橋光夫会長)に200万枚のサージカルマスクが寄贈され、また、八田與一文化芸術基金会とスポンサーの南六企業からは八田ゆかりの地の金沢市や加賀市などにマスク計100万枚と防護服1000着が寄贈されましたが、個人で100万枚のマスク寄贈は突出しています。菅義偉・内閣官房長官も5月26日の記者会見で感謝の意を示しました。

 アンジェロ・クーこと辜仲瑩(こ・ちゅうえい)氏の名前を見て、野村総合研究所主席研究員のリチャード・クーこと辜朝明氏を思い浮かべる人もいるかもしれません。

 実は2人とも「台湾五大家族」の一つとされ、貴族院議員をつとめた辜顕栄氏を祖とする鹿港辜家の出です。辜朝明氏は、李登輝元総統と台北高等学校の同級生で、辜振甫氏(辜顕栄氏子息)とは異母兄弟にあたる辜寛敏氏(元台湾独立聯盟日本本部委員長)の子息。マスクを寄贈した辜仲瑩氏は、2012年に旭日重光章を受章した辜濂松氏(台日商務交流協進会理事長)の次男に当たります。

 辜仲瑩氏は日本の高校を卒業後、米国のノースウエスト大学やペンシルベニア大学大学院に学び、日本長期信用銀行にも勤めた経験があります。そのような縁で日本にマスクを寄贈することになったようで、米国のニュージャージー州にもマスク100万枚を個人名義で寄贈しているそうです。

 なお、本会理事で愛知県支部事務局長や本会青年部部長を兼ねる加藤秀彦氏が、台湾政府による海外への医療物資支援や台湾政府及び民間団体による日本への支援物資についてまとめています。こちらもご参照ください。

◆加藤秀彦公式サイト:台湾コロナ対外支援まとめ https://kato-hidehiko.asia/taiwan-is-helping/

—————————————————————————————–台湾企業家「アジア人として助け合うべき」 日本政府にマスク100万枚寄贈【中央通信社:2020年5月27日】https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202005270001.aspx

 (台北中央社)日本政府にマスク100万枚を寄贈した台湾の企業家、アンジェロ・クー(辜仲瑩)氏は26日、寄贈の理由について、「ウイルスに国境はなく、台湾は我関せずではいられない」とした上で、「とりわけ日本は台湾との交流が密接であり、同じアジア人として助け合うべき」とコメントした。

 辜氏が董事長(会長)を務める慈善団体、凱基社会福利慈善基金会がコメントを発表した。基金会は「新型コロナウイルスの感染拡大と戦う日本を支援できれば」としている。基金会によれば、日本に寄贈したマスクは海外で調達したものだという。

 クー氏のマスク寄贈については、菅義偉官房長官が26日午前の記者会見で、「台湾の方々から我が国の新型コロナウイルス対策に対して温かいご支援を頂いていることに改めて感謝を申し上げたい」と謝意を示した。

 クー氏は先日、米ニュージャージー州にもマスク100万枚を個人名義で寄贈していた。

 クー氏は台湾の五大一族の一つとされる「鹿港辜家」出身で、留学や仕事で日本に居住した経験を持つ。現在は民間開発金融機関「中華開発資本」董事長なども務めている。

(編集:名切千絵)

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