八田與一技師が烏山頭ダムに着工してから100年の節目を迎えた今年、例年の5月8日の墓前祭には八田修一氏らご遺族や金沢の「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」(世話人代表・徳光重人氏)の参加がままならず、規模を縮小して行ったという。
産経新聞は、八田與一文化芸術基金会とスポンサーの南六企業は「日本に対する恩返しの一環」として、八田ゆかりの地の金沢市や加賀市などにマスク計100万枚と防護服1000着を寄贈する方針だと伝えている。
ちなみに、八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会のメンバーらは8日、金沢市ふるさと偉人館の銅像前でしのぶ会を営んでいる。
◆北國新聞:八田技師像前で、台湾へ感謝の祈り[5月9日] https://news.yahoo.co.jp/articles/406d1df22fe296de471a8686a8408af85b0e357f
—————————————————————————————–台南で八田與一慰霊祭 ゆかりの地にマスク100万枚などを寄付【産経新聞:2020年5月10日】https://www.sankei.com/article/20200510-DNZYQL6Z3NILXJAVCOHO5MCHV4/
【台南(台湾南部)=矢板明夫】日本統治時代に台湾の水利事業に貢献した日本人技師、八田與一(はった・よいち)の慰霊祭が8日、八田が建設を主導した台南の烏山頭(うさんとう)ダムの近くにある八田夫妻の墓前で行われた。今年は新型コロナウイルスの世界的流行で、日本からの参加者はいなかった。台湾側の関係者は慰霊祭の後、八田ゆかりの石川県金沢市、加賀市などにマスク計100万枚、防護服1000着を寄贈する方針を決めた。
毎年5月8日の八田の命日に合わせて行われる慰霊祭だが、今年は新型コロナ感染予防のため、参加者をいくつかのグループに分けて行われた。午前10時の部には約60人が参加し、八田の銅像に一人ずつ献花した。日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰所長(駐台湾大使に相当)も駆け付けた。毎年必ず参加するという地元出身の企業家、黄崑虎(こう・こんこ)氏(89)は「八田さんがダムを作ってくれたおかげで、周辺の農地の収穫が2倍以上に増え、たくさんの人が餓死せずに済んだ。今でもお米を頂くと八田さんのことを思い出す」と話している。
烏山頭ダムは1920年に着工、今年はそれから100年に当たる。地元関係者らは、昨年から盛大な慰霊祭を計画していたが、新型コロナの蔓延(まんえん)により断念した。訪台できなかった八田氏の遺族は手紙で慰霊祭を主催した台湾側の関係者に感謝の意を表した。
台湾の民間団体、八田與一文化芸術基金会とスポンサーの南六企業は「日本に対する恩返しの一環」として、八田ゆかりの地などに医療物資を寄贈することにした。基金会理事の邱貴(きゅうき)氏は「私たちはすでに日常生活を取り戻しつつあるが、日本のみなさんはまだ新型コロナと戦っている。少しでもお役に立てられたらうれしい」と話している。
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