【祝】 九州大学とTSMCが半導体分野の共同研究などで「包括連携協定覚書」

半導体受託生産の世界最大手である台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が熊本県菊陽町に半導体生産工場を建設が進み、「九州の半導体業界では、今後10年にわたって年1000人の技術者が不足するとの予測がある」(読売新聞)そうで、半導体製造に従事する人材育成が急務のようだ。

熊本大学は今年3月、TSMCと半導体分野の研究及び人材育成における「産学連携に関する協定」を締結し、小川久雄学長らがTSMC側と記者会見を開いて正式発表したのは4月8日だった。

TSMCが日本国内の大学と連携協定を結ぶのはこれが初めてだった。

熊大に続いて今度は九州大学が4月1日、TSMCと「包括連携協定覚書」を結び、4月17日に石橋達朗学長らが記者会見を開いて正式に発表し、ホームページでも提携の趣旨について「両者間において半導体分野の研究および人材育成における協力関係を発展させること」としている。

九大はすでに「4月12日から、TSMCとその日本における子会社であるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社、TSMCデザインテクノロジージャパン株式会社、TSMCジャパン3DIC研究開発センター株式会社の技術者・研究者による大学院講義(8コマ、1単位)を九大で開講」しているそうで、急ピッチで取り組んでいるようだ。

TSMCの熊本進出は九州のシリコンアイランド化に大きな影響を与えると言われてきたが、それが現実化しつつある。

経済界のみならず大学との産学連携や街づくりなどあらゆる分野を活性化させ、台湾との都市間提携などにも拍車をかけたようだ。


九州大学、TSMCとの連携発表 社員が講師の講座開講【日本経済新聞:2024年4月17日】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC16E7D0W4A410C2000000/

 九州大学は17日、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)と半導体分野の共同研究やインターンシップなどを盛り込んだ包括連携協定を結んだと正式に発表した。

すでにTSMC社員を講師として招いた授業を始めており、初回は少なくとも148人の学生が受講した。

こうした取り組みを通じ、今後深刻な不足が見込まれる半導体人材の育成を急ぐ。

連携協定は4月1日付で、12日にはTSMC熊本工場の運営会社JASM(熊本県菊陽町)を含めた研究者やエンジニアが講師を務める講座「Advanced CMOS Technology」の初回講義を伊都キャンパス(福岡市西区)で実施。

九州の8大学にもオンライン配信し、九州大学生36人のほか、熊本大学生55人などが受講した。

TSMC本社でのインターンシップは学部3年生以上を対象とし、夏に1カ月程度の期間を想定。

有給インターンとし、就労ビザの取得費用や往復航空券の代金、寮の確保も同社が負担する。

九州大学の石橋達朗学長は17日の記者会見で「協力関係の中で、研究と人材育成の2本柱に九大として率先して取り組みたい」と述べた。

九州の大学では、熊本大も3月にTSMCと半導体の研究と人材育成について連携協定を結んでいる。

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