去る11月29日、北海道白老郡白老町にあるアイヌ民族博物館と台湾の国立博物館「台湾行政院原
住民文化園区」(ワン・ホエリン局長)と博物館協定を締結したそうです。地元紙の「苫小牧民
報」が伝えていますので下記にご紹介します。
近年、日本と台湾では姉妹都市や鉄道などさまざまな提携関係が進んでいて、博物館同士の協定
も少なくありません。本会の調査によれば、2013年以降の主な提携は以下のようになっていて、ア
イヌ民族博物館と国立博物館で7件目となります。心から祝意を表したい。
・2013年09月11日、京都大学と成功大学が博物館協力覚書を締結。
・2013年12月23日、西都原考古博物館と十三行博物館が姉妹締結。
・2014年04月01日、国立民族学博物館が順益台湾原住民博物館と学術協力協定を締結。
・2014年05月15日、国立民族学博物館と国立台北芸術大学が交流協定を締結。
・2014年07月10日、国立歴史民俗博物館と国立台湾歴史博物館が協力協定を締結。
・2015年10月16日、国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館が学術研究交流協定を締結
・2015年11月29日、アイヌ民族博物館と国立博物館が博物館協定を締結。
ちなみに、アイヌ民族博物館は、アイヌ文化の伝承・保存、並びに調査・研究、教育普及事業を
総合的に行う社会教育施設として、1976年9月、財団法人白老民族文化伝承保存財団として設立さ
れ、2013年に「一般財団法人アイヌ民族博物館」と改称しているそうです。
◆アイヌ博物館
北海道白老郡白老町若草町2-3-4
TEL:0144-82-3914 FAX:0144-82-3685
http://www.ainu-museum.or.jp/info/gaiyo.html
白老・アイヌ民族博物館 台湾の国立博物館と協定
【苫小牧民報社:2015年12月1日】
http://www.tomamin.co.jp/20151232762
白老町のアイヌ民族博物館(野本勝信代表理事)は11月29日、台湾屏東県の台湾先住民に関する
国立博物館「台湾行政院原住民文化園区」(ワン・ホエリン局長)と博物館協定を締結した。アイ
ヌ民博はこれまで国内外の3館と協定を結んでおり、今回で4館目。文化園区内で開かれた締結式
には野本代表理事、野本正博館長らが出席。台湾側も多くの関係者が集まって協定を取り交わし
た。
式典は台湾先住民の歌と踊りを皮切りにスタート。ワン局長はこれまでの交流の歴史を振り返り
ながら、今回の協定締結を歓迎。野本代表理事も「お互いの先住民族の相互理解に貢献するもので
あり、今後は長期的に交流を進めたい」などとあいさつした。
ステージでは、台湾先住民による儀式が行われた後、署名する4人が登壇。また、野本館長、白
老町アイヌ施策推進室の遠藤通昭室長、日台間の連携などを進める交流協会高雄事務所の中村隆幸
所長らが立会人となり、代表者の署名で正式な協定を結んだ。会場では、現地部族数にアイヌ民族
分を加えた号砲が鳴り響き、今回の締結を祝福した。
会場は前日の高雄市で開かれたフェア同様、台湾側が共催イベントを開いた効果で各部族の先住
民をはじめ、多くの観光客などが来場。入り口前広場に並んだ特設テントでもアイヌ民族博物館の
PRブースが設けられ、観光客らにパンフレットなどが配られ、人気を集めた。
野本代表理事は今回の協定締結に「予想を超えるほどの歓迎ぶりが本当にありがたく、心から感
謝申し上げたい。これを機に文化交流に弾みをつけていきたい」と思いを述べていた。