【台湾総統選】 民進党の頼清徳・蕭美琴候補がリードを広げたか

 台湾の総統・立法委員選挙では頻繁に世論調査が発表される。

 ニュースサイト「美麗島電子報」は12月30日までにすでに100回の世論調査を発表している。直近5日間の世論調査の結果を下記に紹介したい。

 この5日間で頼清徳・蕭美琴候補は37.5%から40.2%と2.7ポイント伸ばし、中国国民党の侯友宜・趙少康候補が32.6%から28.7%と3.9ポイント下がり、台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補が16.3%から18.4%と2.1ポイント伸ばしている。頼清徳・蕭美琴候補が他候補をジリジリと引き離していることが読み取れる。

・12月30日 民主進歩党の頼清徳・蕭美琴候補:40.2% 中国国民党の侯友宜・趙少康候補:28.7% 台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補:18.4%

・12月29日 民主進歩党の頼清徳・蕭美琴候補:40.0% 中国国民党の侯友宜・趙少康候補:28.9% 台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補:17.6%

・12月28日 民主進歩党の頼清徳・蕭美琴候補:38.7% 中国国民党の侯友宜・趙少康候補:29.7% 台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補:16.6%

・12月27日 民主進歩党の頼清徳・蕭美琴候補:38.9% 中国国民党の侯友宜・趙少康候補:29.4% 台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補:17.2%

・12月26日 民主進歩党の頼清徳・蕭美琴候補:37.5% 中国国民党の侯友宜・趙少康候補:32.6% 台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補:16.3%

 ところが、大手のケーブルテレビ局のTVBSが12月29日に発表した世論調査は、下記のように発表していた。中国国民党の侯友宜・趙少康候補が頼清徳・蕭美琴候補に4ポイント差まで詰めているという。

 美麗島電子報の12月29日発表では、侯友宜・趙少康候補が頼清徳・蕭美琴候補に11.1ポイントも引き離されているという発表だった。

 民主進歩党の頼清徳・蕭美琴候補:37% 中国国民党の侯友宜・趙少康候補:33% 台湾民衆党の柯文哲・呉欣盈候補:22%

 また、台湾国際放送は「携帯電話を使用した調査では頼清徳・候補の支持率が29.5%、侯友宜・候補22.7%、柯文哲・候補は27.8%で侯友宜・候補を上回る2位だった」と伝えている。これは「携帯電話」という点に要注意で、世代別の数字が発表されていないが、恐らく若い世代が柯文哲候補を支持していることが数字に表れたのだろう。固定電話なら侯友宜候補の支持率が勝ったはずだ。

 台湾の世論調査は政治的立場や思惑が強いことは承知しているが、選挙結果はそれまでの世論調査の結果と同じことが多いのであなどれないものの、ほとんどの世論調査で頼清徳・蕭美琴候補がリードしている。

 1月13日の投票日まであと半月というこの終盤に来ても、頼清徳・蕭美琴候補がリードは変わらない。恐らく、大きな事件でもなければこのままの趨勢で行く可能性は高い。

 なお、台湾では投票日の10日前からは世論調査が禁止される。2024年1月13日が投票日なので、1月3日以降は世論調査の公表・報道・拡散などは禁止される。

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