円を超す義捐金を集めていただいた台湾の代表(羅坤燦・台北駐日経済文化代表処副代
表)に対し、企業・団体関係者の座席に案内、外交団として献花する機会が与えないとい
う無礼極まる「台湾冷遇」措置を取ったことに対し、大江康弘・参議院議員(無所属)が3
月13日に「その対応は全く不誠実であったとしか言いようがない」として政府に「東日本
大震災一周年追悼式に関する質問主意書」を提出した。
これに対して、野田佳彦総理の「献花に際して、台湾の人々の気持ちを傷つけるような
ことがあったとすれば、わが国政府としての本意ではない」と記された「答弁書」を3月23
日の閣議で決定した。
下記に大江議員の「質問主意書」とともに、「答弁書」全文をPDF版で紹介したい。
また、玄葉光一郎外務大臣が追悼式の翌12日、羅坤燦・台北駐日経済文化代表処副代表に
直接陳謝していたことを台湾の「中央通訊社」が伝えている。併せて下記に紹介したい。
これで「台湾冷遇問題」には一応の決着をみたわけだが、台湾を冷遇しているのはこの
追悼式に限らない。台湾を中国の一部であるかのように記す地図帳や台湾出身者の国籍を
「中国」と表記する戸籍、官僚の台湾訪問は課長職までしか認めないなどまだまだある。
本会は今後ともこれらの「台湾冷遇」の改善と是正に向けて力を尽くしていきたい。
◆参議院議員大江康弘君提出東日本大震災一周年追悼式に関する質問に対する答弁書
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/180/toup/t180061.pdf
◆大江康弘議員「東日本大震災一周年追悼式に関する質問主意書」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/180/syup/s180061.pdf
玄葉外相、震災追悼式での冷遇で羅駐日副代表に陳謝
【中央通訊社:2012年3月27日】
(東京 27日 中央社)玄葉光一郎外務大臣が、日本政府が主催した「東日本大震災一周
年追悼式」に中華民国(台湾)の代表として出席した羅坤燦駐日副代表(副大使に相当)
に、式典での冷遇を陳謝したことが27日、分かった。
玄葉外相が同日の参院政府開発援助(ODA)等に関する特別委員会で明らかにしたところ
によると、玄葉氏は12日に行われた外務省主催のレセプションで、羅氏が11日の追悼式で2
階の一般席に案内され、各国代表の指名献花から外されるなど「民間機関代表」として扱
われたことを、本人に直接会って「申し訳なかった」と陳謝したという。
追悼式での台湾冷遇について、野田佳彦首相は12日と14日の参院予算委で陳謝している
ほか、日本政府も23日の閣議で決定した答弁書で「配慮が足りなかった」ことを認めてい
る。