「ミスターデモクラシー2.0デジタル李登輝特別展」が国立台湾図書館にて開幕

すでにお伝えしたように、本会は本年6月2日に、本会の名誉顧問に就任された李登輝元総統ご息女の李安[女尼]さんと、安倍晋三元総理夫人の安倍昭恵さんのお二人を囲む会を催しました。

その折、李安[女尼]さんは「AI(人口知能)李登輝」について、台湾華語、日本語、英語で挨拶する映像や「千の風になって」を日本語で歌うAI李登輝を紹介。

会場からは「おお!」と感嘆の声が洩れ、全員が画像とその声に魅せられました。

李元総統の日本語は声の特徴をよくとらえていて、驚くほどよく似ていました。

また、昭恵さんも「安倍晋三デジタルミュージアム」のプロジェクトを進めていることを紹介、「私もAI安倍晋三を作ろうとしている」と発表すると、またもや会場がどよめき、AI李登輝先生とAI安倍晋三の対話もできるかもしれないと話し、奇しくも日台で同じことを進めていることが判明しました。

李登輝元総統が亡くなられて5年目のご命日だった7月30日、新北市の国立台湾図書館において、李登輝基金会と財団法人資訊工業策進会(資策会)が共同で研究開発、国立台湾図書館との共同企画のデジタル特別展「PROTOTYPE:民主先生2.0數位李登輝特展(ミスターデモクラシー2.0デジタル李登輝特別展)」が開幕しました。

この「ミスターデモクラシー2.0デジタル李登輝特別展」は2年間にわたって開かれ、来場者はAI李登輝との対話を体験できるそうです。

李安[女尼]さんは「李登輝氏を懐かしむ人にとっては再会の場に、李登輝氏についてよく知らない人にはその世界を知る機会になれば」(中央通信社)などと話されたそうです。

本会が7月下旬に予定していた「李登輝学校研修団」は、李登輝基金会がデジタル李登輝特別展の開催準備のために多忙を極めていたことから延期しましたが、秋(10月末か11月初旬)に予定している「李登輝学校研修団」では、ぜひデジタル李登輝特別展を訪ねたいと思っています。

下記に、開幕の模様を詳しく伝える「台湾国際放送」の記事を紹介します。


「デジタル李登輝特別展」開幕、AI交流で民主精神への理解の深化に期待【台湾国際放送:2025年7月30日】https://www.rti.org.tw/jp/news?uid=3&pid=155327

李登輝・元総統の5周忌にあたる今年、李登輝基金会と財団法人資訊工業策進会(資策会)が共同で研究開発、国立台湾図書館との共同企画である2年間に渡るデジタル特別展「PROTOTYPE:民主先生2.0數位李登輝特展(ミスターデモクラシー2.0デジタル李登輝特別展)」が30日、盛大に開幕しました。

開幕式には、蔡英文・前総統、陳建仁・元副総統、王金平・元立法院長(国会議長)、教育部(文科省に相当)の鄭英耀・部長(大臣)、国史館の陳儀深・館長、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会の片山和之代表らが出席しました。

蔡英文・前総統は挨拶の際、李登輝氏が確固たる信念と知恵を持って台湾を民主化へと導いたと述べ、権威主義から自由へ、万年国会から民主主義議会へと導き、台湾の人々が真の意味で国の主となることができたと語りました。

蔡・前総統はまた、生成AI(人工知能)と感情シミュレーション技術を通して、「ミスター・デモクラシー」は時空を超えて現代社会と交流し、共に台湾の民主主義の未来を見つめることができるとし、特別展開幕後、人々は間違いなく多くの質問を「デジタル李登輝」に尋ねたいと思うだろうと話し、そのシミュレーションによる答えが、この時代の課題に対応し、台湾の民主主義のために戦い続ける人々を鼓舞することを望んでいると述べました。

蔡・前総統は、「李登輝・元総統は、かつて民主化の推進は長期的なプロジェクトであると語ったことがある。

私は台湾の人々が世代を超えて団結し、台湾の民主主義と自由のために共に歩んでいくことを信じている。

この展覧会を通して、台湾の民主主義の過去と未来を共に探り、勇気を新たにし、台湾の次の段階の課題に共に立ち向かっていこう」と呼びかけました。

「PROTOTYPE:民主先生2.0數位李登輝特展(ミスターデモクラシー2.0デジタル李登輝特別展)」は、再会、対話、閲覧、写真撮影の4つのエリアに分かれています。

蔡・前総統は、開幕式に出席しただけでなく、「デジタル李登輝特別展」の最初の来場者となり、「デジタル李登輝」と共に写真を撮り、対話を行い、台湾社会に二人の元総統が時空を超えた交流の記録を残しました。

このほか、開幕式では会場で「スマートフォン」を通じて、「デジタル李登輝」との特別な交流も行われました。

李登輝氏の懐かしい声が再現されると、会場からは驚きの声が上がりました。

李登輝基金会の李安[女尼](アニー・リー)・董事長は、「デジタル李登輝特別展」は単なるAI技術の展示に留まらず、歴史の温度の再現であり、さらには未来への招待状でもあると述べました。

そして、テクノロジーの温かい交流を通じて、社会がいわゆる「民主主義の精神」に対する更なる理解に目覚め、「李登輝精神」が過去に存在するというだけでなく、未来にも再現できることを共に立ち会い、それによって民主化への道に、より大きなコンセンサスを形成できることを期待していると語りました。

(編集:中野理絵/許芳[王韋]/本村大資)


※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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